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» 2014年08月06日 09時30分 UPDATE

ナレッジワーキング!!:僕らは確率の世界に生きて、確率の世界で死ぬ (1/2)

最近、飛行機の墜落事故が連続して発生しました。ある統計によれば飛行機に乗って事故にあい、死亡する確率は0.009%だといいます。

[永田豊志,Business Media 誠]

 2014年7月17日に、マレーシア航空機がウクライナ東部で墜落したというニュースは非常に衝撃的でした。「親ロシア派が撃墜したのでは?」など、さまざまな憶測が飛んでいますが、いまだ事故調査は進んでいないようです。

 マレーシア航空機は、3月にも北京行きの370便が謎の失踪をとげています。筆者もよく利用する航空会社だけに、こんなに短期間に2度も不幸に見舞われたことに、心底驚いたものです。

 と思った矢先に、西アフリカのマリではアルジェリア航空機が、台湾ではトランスアジア航空機が墜落しました。1週間の間に生存者のいない航空機事故が3件も続くとは、マイラー(マイレージ愛好家)の筆者としてはただただ驚くばかりです。

それでも車より飛行機は33倍安全?

翼

 飛行機事故が立て続けに起こると、飛行機嫌いな筆者の知人は決まって「あんな鉄の塊が飛ぶなんて、おかしい。やはり陸路が一番」などと酔狂なことを言い出す始末です。

 その一方で航空会社サイドは、飛行機が最も安全な乗り物であることをアピールします。米国の国家運輸安全委員会のデータベースによれば、飛行機に乗って事故にあい、死亡する確率は0.009%だといいます。これは8200年間、毎日ランダムに飛行機に乗って、死ぬかどうかという確率だそうです。

 自動車事故で死亡する確率の0.03%に比べてると極めて低いということが「飛行機=安心」ということの理論的背景になっているようです。

ビッグデータな世界に振り回されない

 最近、確率や統計の話題が増えているように感じます。数字は、ビジネスの分析や提案においてかかせない存在です。それがないと信ぴょう性がないとも言われる時代です。さらに「ビッグデータ」などのバズワードも登場し、数学の苦手なビジネスパーソンも避けて通れない世界になってきつつあります。

 しかし、ここで考えたいのは、確率というものはランダムサンプリング(無作為に抽出)した場合に、ある事象が起こり得る確率なのです。無作為に全体の標本からまんべんなく何度も何度も選び続けた場合の話です。でも、実際の世の中は全体の標本からまんべんなく選ぶなんてことはありません。

 前述の飛行機事故の確率だって、航空会社によって雲泥の違いがあります。例えば、Airline Ratings.comによる「世界で最も安全な航空会社」で2014年度第1位になったのはオーストラリアのカンタス航空です。同社は1950年の創業以来、ジェット旅客機の運航で一度も死亡事故を起こしていません。一方で、台湾を代表する航空会社は2002年までに合計12回もの死亡事故を起こしており、一時期は世界で最も安全性の低い航空会社と揶揄(やゆ)されていました。

 つまり、確率を出したところで、安全な航空会社は安全だし、そうでないところには不安が残るというわけです。

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