主役になれる仲間を集めろ「考える」力をつくる30のルール

新しい事業を始めるには、人を集め、新しい組織を作らねばならない。しかし、単に人数がいればよいというものではない。ダメにならないためにも、強い組織を作らなくてはいけない。組織の中核として働ける仲間をいかに集めるかが課題なのだ。

» 2014年09月17日 11時00分 公開
[長野真一,Business Media 誠]

集中連載「「考える」力をつくる30のルール」について

本連載は、長野真一著、書籍『「考える」力をつくる30のルール』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。

少子高齢化に年金制度の崩壊、いじめ、災害――。問題が山積みの現在の日本、私たちはこの困難の時代に生き延びなくてはなりません。

各界で活躍する一流の講師たちが、東北の未来を担う若者たちに「生きる力、考えるヒント」を授けるNHKのEテレ番組「東北発☆未来塾」。そのなかで、講師たちが語った珠玉のひと言が「ゴールデンルール」です。

 「コンセプトは机の上で考えるな。日常に落ちている」(箭内道彦)
 「人の意見をまずは肯定しよう」(山崎亮)
 「どこでも使える文言に、人をひきつける力はない」(星野佳路)

これからを生き抜くために、何を考え、何をすべきか。本書では、番組内で紹介した自ら未来を切り拓いてきた人たちの30ゴールデンルールをまとめました。アイデアを育て、人とつながり、困難に打ち勝つ――。そうした力をつけて生きるヒントをつかんでください。


組織の成否を占うのは、人

 新しい事業を始めるには、新しい組織を作らねばならない。

 新しい組織とは、とにかく人数がいればよいというものではない。特に最初のうちは、組織の中核として働ける仲間をいかに集めるかが課題になる。重要なのは、彼らが主役として働ける組織を作れるかだ。

 震災後、復興支援に向けてさまざまな社会起業が行われた。小さなもの、大きなもの、すぐにつぶれたもの、長続きしているものなど、さまざまだ。

 社会起業に限らず、何かの目的を持って組織を作るときの基礎は、人・モノ・カネだ。 しかし、モノやカネがふんだんにある恵まれた条件で起業できることは少ない。

 そうなると、組織の成否を占うのは、人になる。1人では組織にならないのだから、そこには同じ意思を持った仲間が必要だ。

仕事の成否を占うのは、担当者のやる気

(写真と本文は関係ありません)

 組織を作っていく中で、必要な人材はいくつかのタイプと役割に分かれる。

 1つは、組織全体を統率するトップリーダー。会社でいえば社長だ。

 もう1つが、各部局の目的を達成するために戦略を立て、責任を持って判断し運営して

いく部局のリーダー。

 そしてそのリーダーの下で、与えられた仕事を確実にこなしていくスタッフ。

 ここでは、自らがトップリーダーとなり組織を立ち上げるケースを想定しよう。

 まず集めなくてはならないのは、各部局を実質的に動かすリーダーたちだ。彼らを集めるときに必要なことは、彼らの能力もさることながら、彼らがやる気を持ってつける任務を与えられるかどうかにある。

 組織の中核を担う彼らが、“人から与えられる仕事”ではなく、“自ら生み出す仕事”として担務を位置付けられることが大切だ。

 そう、「自分が主役になれるかどうか」なのである。

 仕事の成否は、担当する人のやる気に負うところが大きい。「誰かがやってくれるかもしれない」というのではなく、「自分がやらなくてはならない」と思えば、本気になる。そのやる気が仕事を推進する原動力になる。

 もちろん、その前提として、各部局のリーダーとなる人物は仕事を生み出す創造力と、それを遂行する実行力、そして責任感がなくてはならない。

 そうした人材の能力を見極めながら、彼らに主役となれるポジションを与えられるか否かが、強い組織を作る秘訣だ。

著者プロフィール:

長野真一(ながの・しんいち)

1989年、NHK入局。初任は京都放送局。過去の主な担当番組「堂々日本史」「その時歴史が動いた」「英語でしゃべらナイト」「リトル・チャロシリーズ」「トラッドジャパン」など。

震災直後に、東日本大震災プロジェクトの専任となり、2年間被災地支援の番組やイベントなどを実施する。「東北発☆未来塾」や「復興支援ソング・花は咲く」のプロデュース、「きらり東北の秋」や「ただいま東北」のキャンペーンなどを担当。


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