雑談が上手な人は、話題が豊富で次から次へと面白い話を繰り出してきます。そんな人たちは、日頃から雑談のネタを集めているものです。「雑談のネタはないか?」と問題意識をもっていると、意外なところにネタが転がっていることに気づきます。
ここでは、新聞、雑誌、インターネットなどから使えるネタを探し出す方法を紹介しましょう。
一番のおすすめは、新聞です。最近ではインターネットでニュースを読む人も少なくありませんが、新聞は話題が豊富です。世の中で起こっている主要な出来事がコンパクトにまとまっているのも、新聞の利点です。また、一般紙以外の新聞を読んでみることもおすすめします。
業界紙や地方紙などでは、一般紙と共通のテーマに触れていても、視点が違っていたりします。業界紙や地方紙では、一般紙ではお目にかかれないようなネタを見つけることもできます。
出張や旅行のときには、ぜひ、その地域の地方紙を買ってみましょう。地域密着のイベントや地元ならではの話題が報道されていたりします。
読者投稿欄は、立場や年齢の違う読者が、身近な問題から国際問題まで意見を寄せています。自分が興味をもった話題を見つけたら、「昨日の新聞でこういう意見がありました」と話のきっかけにすることができます。
これが政治家や学者の話だと鼻につく場合がありますが、読者の投稿だと、聴き手も素直に受け入れることができて、会話の糸口となります。
人気のテレビ番組は、話のネタとして重要です。
一般の会話は「ねえ、昨日、○○を見た?」というやりとりで始まることが多いものです。たとえ見ていなくても、テレビ欄に目を通しておけば、その話題についていけます。特に注目の番組には解説記事があることが多いので、「いや、見ていないけど、いま人気の○○さんが出ていたんだよね!」などと答えると話の腰を折らずにすみます。ちょっとした情報をインプットしておくだけでも役立つものです。
雑誌は、新聞以上にその時代の流行やトレンドを反映します。読者が関心を寄せているトピック、いま売れている俳優やタレント、話題の映画やテレビ番組など、ちょっと話したくなるような内容にあふれています。
これは新聞にもいえることですが、新刊書の書評欄は、記事を読むだけでその本の概要がつかめます。「あの本を読みましたか?」と聞かれても、「いや、でも概略は知っていますよ。かなり斬新な視点ですね」と話を合わせることができます。
雑誌の表紙を飾るのは、その時々の旬の有名人です。その人物から、そのときの流行の映画やドラマ、社会問題が分かるというものです。駅の売店や書店で見たときに、誰が表紙かをちょっと気にするだけでも話のネタになるでしょう。
いまや、ほとんどの人がPCやスマートフォンを扱い、簡単にインターネットにアクセスできる時代になっています。インターネットは速報性が高いことが特徴でもあり、ネット経由のニュースで最新情報をいち早く知ることができます。また、検索をかけることで、特定の情報を瞬時に入手できます。
広告の媒体が、テレビ・新聞中心から徐々にインターネットにも広がってきています。このため、インターネット広告も、最近では見逃せない媒体となりつつあります。話題になっている広告を知っているだけで、会話のネタになるでしょう。
新聞社のウェブサイトもチェックしてみましょう。各社とも常にニュースを流しているので、各社の視点の違いを簡単に見つけられます。比較して、その特徴などをつかんでおくとよいでしょう。また、雑誌の電子版を定期購読すると、バックナンバーを検索・講読できるサービスを提供しているところもあります。便利に活用したいものです。
ビジネスを円滑に進めるためには、良好な人間関係が重要です。仕事の話だけをしていたのでは、なかなか強固な関係性を築くことはできません。何気ない雑談が加わると、人と人との関係がスムーズになっていきます。
天気話のやりとりから相手の精神状態が分かったり、注目されているニュースに触れることで、その人の関心がどこに向いているかが分かったりして、相手の人となりを知る場合もあるでしょう。
雑談力のアップは、仕事力のアップにもつながる可能性を秘めているのです。ひょっとしたら雑談は、ビジネスの本題よりも重要度が高いのかもしれません。
コミュニケーショントレーナー、ファシリテーター。株式会社スピーキングエッセイ代表。建設業、マスコミ業などの営業経験を生かし、官公庁、自治体、企業に対して、”相手に分かりやすい話”をする方法を指導。
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