35才中間管理職、誰に相談すればいい?そのひとことを言う前に(3/3 ページ)

» 2014年09月22日 09時00分 公開
[岩淺こまき,Business Media 誠]
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プロのコーチやカウンセラーを使うのも手

 1人であれこれ考えるのが苦手な人は“人の手”を借りるという手もあります。相談相手は利害関係がない人を選ぶといいでしょう。社内の同僚や上司に相談するのがおっくうなら、自腹を切ってプロのコーチやカウンセラーを活用するのもオススメです。

 「じゃ、あんたがやれよ!」と上司に不満をぶつけそうになったり、同僚や部下に「バカじゃないの……? 何でもかんでも言ってくるなよ」と言い出しそうになったりすれば、周囲に不穏な空気が漂うでしょう。そうなる前に“相談のプロ”を頼るのは正しい選択です。

 30歳後半で一定のポジションにいる人なら、プロの使うのが最も効率が良く、リスクも少ないです。カウンセラーが相手なら、ヘタな事を言っても大丈夫。安心してグチや弱音を話して、スッキリすれば次に進めます。

photo 中間管理職というポジションであれば、プロのカウンセラーを利用するのがリスクも低く、オススメです

 また“利害関係のない相手”という観点では、パパ友や趣味友といった、社外のコミュニティを充実させるのも有効でしょう。ちなみに、相談役は「傷をなめてくれる相手」や「傷に塩を塗る相手」というように、多角的に対応できるとようにしておくと、なお良し。喝が必要なタイミングもあれば、優しい言葉をかけてもらいたいときだってあるでしょう。これらをバランスよく使い分けることが大事です。

「存分に悩む」「いっそ悩まない」という選択肢もある

 それでも「悩んでしまう」という人は、もう悩んでいる状態が好きなのかもしれません。実は「悩んでいる自分」をかわいがる、という目的のために悩む人も少なくないのです。

 そういう人は、とことん悩んでしまった方が逆にスッキリしますが、人に相談するのはやめておいた方がいいでしょう。こうしたケースでは、相談に乗ってくれた相手に、「いや、そうじゃなくって」とか「やっぱ、分かりっこないよなー」と否定的な反応を返してしまいがちで、その結果、相手を嫌な気持ちにさせてしまうこともあるからです。そうなると、自分もまた「俺の気持ちなんて誰も分かってくれない」と思って悪循環に陥ってしまいます。

 一人で存分に悩むと決めたら、“悩む時間”を設定するといいでしょう。いつまでも悩み続けたあげく、暗い気持ちを引きずって会社に行けば、部下や同僚に悪影響を及ぼしかねません。悩む時間を終えてそれでも気がすまなければ、次のステップへ進みます。「解決策を考える」方向に思考をシフトするなり、プロの手を借りるなり、何かしら決断をすれば次に進めます。

 また、奥の手ですが「悩まない」という方法もあります。

 仕事も真剣に、でも成果もあげて軽やかに生きている――そんな人たちのストレス解消法を探ってみると、共通していたのは「悩まないこと」でした。彼らは自分の感覚で悩む、悩まないを決めています。

 仕事柄、管理職やリーダー研修などで、タスクの優先順位をつけるときに「緊急度」と「重要度」で考えよう、などと言っていますが、彼らにはそんなルールはないのです。あくまで感覚の話なので理解しづらいかもしれませんが、それでも「悩まない」という選択肢を奥の手として持っておくのは大事なことでしょう。

今回のまとめ

Q:35才中間管理職です。日々悩みが多くて疲れます。

A:悩むか悩まないかは自分次第。自分なりのおまじないを作る、プロのカウンセラーや社外のコミュニティを利用する、時間を決めてとことん悩んでみるなど、上手に悩みとつきあう工夫を、実践していきましょう。


著者プロフィール:岩淺こまき

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 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師

 大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気づく。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。


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