1つでも試す価値あり――コミュニケーション上手になるための5つの習慣3分LifeHacking

上司、部下、同僚、顧客――相手が誰であってもうまくコミュニケーションできればうれしいものです。どうすればもっと上手にできるようになるでしょうか。ほんの少し、普段の話し方、考え方を変えてみるだけでずいぶん変わってくるのを実感できるはずです。

» 2014年10月07日 07時00分 公開
[Lea McLeod, M.A.(原文/訳:堀込泰三),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 「もっと自己主張ができるようになりたい」「争いごとへの対処がうまくなりたい」「人前で自分の気持ちを言えるようになりたい」――コミュニケーションスキルを磨きたいという願いは、誰もが持っていることでしょう。

 わたしの職業はジョブコーチなので、クライアントからの相談内容にはコミュニケーションに関するものが含まれます。相談に訪れる動機は人それぞれ大きく異なりますが、これまでのものを思い返すと、問題はそれほど複雑なことではありません。多くの人がコミュニケーションの基礎でつまづいているのです。

 そこで、クライアントとの会話から得られたコミュニケーション力向上のコツを、5つ紹介します。1つでも役立ちそうなものがあれば、ぜひ会話のスキルとして取り入れてみてください。

「そうですね、でも〜」よりも「そうですね、それに〜」

 「いいアイデアですね。でも、違うやり方の方がいいと思います」などのように言ってませんか? 会話の相手は、「でも」という言葉を聞いた途端、あなたがアイデアを評価してくれたことなど忘れてしまいます。「でも」という言葉とその後に続く言葉は前半のパートを完全にムダにしてしまうので要注意。

 否定するのではなく、「それに加えて」と言ってみるのはどうでしょうか。「いいアイデアですね。それに、やり方を少しだけ変えれば、もっと効果的になると思います」と言えば、だいぶ受け取られ方が変わってくるでしょう。

 『Bossypants』の著者、Tine Feyさんは、コミュニケーション力向上のためのルールを分析しています。そのルールの1つが、「Yes, and(そうですね、それに)」を会話に取り入れること。これにより、相手の意見を尊重することができます(賛同しかねる場合でも同様です)。

 これにはコミュニケーション上手になる以外の効果もあります。あなた自身も、相手のアイデアを元に自分のアイデアを付け足していくことで、より会話に没頭できるようになるのです。職場でも試してみましょう。

事実に目を向ける

 「彼女は私をいじめたがっている」「ボスは私のことが嫌い」「上司は私を雇ったことを後悔している」など、根拠のないことをまるで事実のように語るクライアントがいます。

 その場合、こう答えることにしています。「それは事実ですか? 上司が実際にそう言ったのですか? それとも、あなたが自分でそう結論づけているのですか?」

 コミュニケーションを効果的にするだけでも難しいのに、根拠のないストーリーをそこに付け足すのはやめましょう。築き上げるコミュニケーションは事実に基づくようにする必要があります。

 どんな問題でも、その事実はあなたの想像と大きく異なる場合があります。単純に、上司にストレスがたまっていて、あなたに八つ当たりしているだけかもしれません。いずれにしても、事実を知るまでは思い込みを避け、問題の根源を把握することに努めた方が良さそうです。

「保身」をしない

 職場でコミュニケーションに問題が生じるとき、コミュニケーションの仕方そのものより、保身に原因がある場合が多いようです。

 例えば、AさんとBさんが、あるプロジェクトについて話しているとします。

A「このプロジェクトは今のチームには荷が重すぎます。ヘルプが必要です」

B「いや、皆がもう少し残業をすれば、自分たちだけでできるはずだ」

 Aさんのイライラは、Bさんが言うことを聞いてくれないために募っています。一方、Bさんにとっては、Aさんが自分の大変さを、まるで壊れたレコードが繰り返し同じ箇所を再生しているだけのように感じています。これでは、問題解決のための有意義な会話は無理でしょう。

 これをコミュニケーションとは呼べません。ただの保身のための言い訳です。コミュニケーションがうまい人は、自分の意見を繰り返し主張するのではなく、質問をして課題の両面を理解するように努力するのです。

 この場合例えばBさんの立場なら、「プロジェクトのどの部分が重荷になってるか」「何がネックになっているか、教えてほしい」とたずねれば良いでしょう。

 Aさんなら、「どうやら私たちは、プロジェクトに対する見解がまったく異なるようです。残業で本当に問題が解決するかどうか私には疑問です」または「プロジェクトの範囲を見直して、リソースを考慮した上で本当にその残業が現実的なものかどうか、考えてみるべではないでしょうか?」などといった具合です。

 相手の考えていることを想像してみるだけで、あなたの不満は消え、1つ上のステージに立つことができるのです。

 スティーブン・コヴィー著の『7つの習慣』では、「理解してから理解される」と説いています。自分の意見を理解してもらいたかったら、相手のことを理解する意思が必要なのです。

言葉と同様に沈黙を駆使する

 多くの会話の生産性が低いのは、次に何を言おうかと心配するあまり、相手の意見に耳を傾けられないことにあります。この状況を打開するためには、沈黙の瞬間をうまく利用する必要があります。

 沈黙をいやがる人もいるかもしれません。でも、沈黙があれば、言われたことを頭の中で消化できるし、ゆっくりと頭の中で整理してから話すことができます。

 ですから、今後の会話では、沈黙の瞬間を捉え駆使する練習をしてみてください。言われたことを吸収する時間を取り、話す前にはじっくり考えてから話します。沈黙の瞬間を恐れるのではなく、その重要性を理解し、うまく利用してください。これで、より良い会話を組み立てられるようになるでしょう。

相手の視点を知る

 英国の大手ホテルチェーンでインターンをしてきたばかりの米国人大学生に、何が一番大変だったかを聞きました。彼は、英国の職場がものすごく多様性に富んでいたことに驚いたと答えました。まるで全員が別の国から来たかのように、それぞれに訛りのある英語を話していたそうです。

 そして、何よりも大変だったのがコミュニケーション。同僚に自分のことを分かってもらうのに一番苦労したとのことでした。分かってもらうためには、1人1人異なっているため、出身地、英語のレベル、担当している仕事などを知る必要があったそうです。

 質の高いコミュニケーションをするには、まさにこれが重要なのです。

 誰であれ、その考え方には信念、思い込み、経験、文化などのフィルターがかかっており、これらの影響を受けています。その受けている影響は見た目からは分からないため、理解するのが難しいでしょう。しかし意見のやりとりをしたいのであれば背後にあるものを理解しておく必要があります。

 それをせずあなたが何かを発言しても、相手に届かないでしょう。優れたコミュニケーションができる人は、相手の出身地、文化、仕事、個人的要素などの影響を、時間をかけて把握します。それらの違いが分かれば、自分の意見を聞いてもらえるような方法でコミュニケーションを取ることができるのです。


 生まれつきコミュニケーションが上手な人もいるかもしれません。でも、後からコミュニケーション力をつけることは可能です。上に述べた5つのうち、どれか1つでもいいので、すぐに試してみてください。自分のコミュニケーションが効果的になっていくのが分かると思います。きっと同僚はそれに気づき、あなた自身も新たな自信が得られ、自分の仕事に対する満足度が高まることでしょう。

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