中田: ブランディングというのは、広告宣伝ということですか?
吉岡: まあ、一口にいうのは難しいけど、うちの商品が比較検討されていない場合は、まずはそのリストに入る必要があるでしょ。それに加えて、導入決定の際には費用対効果だけでなく、信頼度とか知名度なんかも大事な選択要因なの。信頼度は企業としての信頼、商品としての実績なんかが見られるわ。
中田: 具体的などんな施策があるんですか?
吉岡: そうね。基本的にはBtoBのサービスだから導入実績が一番重要なんじゃない? 導入社数もさることながら、誰もが知っている企業がケーススタディなんかで取り上げてあれば、読みたくなるわよ。
中田: テレビCMとか雑誌広告とかバンバンやれば知名度上がりますかね?
吉岡: 顧客ターゲットがビジネスユーザーだし、商品が特定用途向けだからマス広告しても、それこそ費用対効果がNGよ。それよりも、来月、「会計カンファレンス」が赤坂ホテルで行われるんだけど、企業会計に関係するキーパーソンばかりが集まるから、そうしたところでセミナーをやるっていうのもいいかもしれないわ。有料で150万くらいかかるけど、セミナーあたり200人くらい動員できるらしいから、1人あたり5000円で集客すると考えれば安いわ。
中田: それはいいですね! 前提となる予算は大商談会の分を回すということでしたから、おそらく300万円くらいはあると思います。
鈴木: 200人の見込み名刺からどのくらい受注がとれるかな?
吉岡: そうね。名刺リストの30%で商談案件がとれて、実際に受注につながるのがその半分だとして30件ってとこかしら。
中田: (なるほど、200人から30件ですね)
鈴木: さきほどのコンサルティングサポートや設定サービスの無料化も、社内とはいえ、通常は1アカウント5万円でやっているんだ。そのコストも頭に入れておいたほうがいいぞ。
中田: そうですね、5万円で30アカウントきたら、もう予算枠一杯ですね。セミナー由来が30アカウントとして合計60アカウント。
鈴木: 新規売上倍増なんだろう。何件とればいいんだ?
中田: 四半期平均で40件ですから80件くらいですね。う〜ん、もう少しだな。
鈴木: 予算のかからない方法が必要だな。そういえば、これまでの見込み顧客リストは整備されているの?
中田: はい、導入検討したものの、現在顧客になっていないリストが1万件くらいあります。
吉岡: じゃあ、そこに対してこれまでの導入事例を資料として配布したらどう? 早期に検討はしたけど、実績が未知数だったから見送った企業なんかは、現在の実績を見れば納得して再検討してくれるかもしれないわ。
中田: それで行きましょう!
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