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» 2014年11月06日 08時45分 UPDATE

そのひとことを言う前に:「何がやりたい?」に答えられない若手には (2/2)

[岩淺こまき,Business Media 誠]
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「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」を使い分ける

 まずは、相手が持っている知識に合わせて質問の出し方を考えるとよいでしょう。冒頭の会話の中で出てきた「何がしたいの?」「どんな事に興味あるの?」という質問は既存メンバーや知識のある人に対しては適しています。この質問方法は「オープンクエスチョン」と呼ばれており、質問された側は自由度の高い回答をすることになります。そのため、本音の部分や上司が思ってもいなかった切り口の話を聞き出すのに適しています。

 しかし前述の通り、この質問方法は新メンバーには向いていません。「○○は好きですか?」というような、回答の種類が限られる(はいかいいえ、AかBかなど択一で答えられるもの)「クローズドクエスチョン」を使いましょう。その方が相手も答えやすく、コミュニケーションもスムーズに進みます。

photo 相手の知識に合わせ、上司が質問の方法を工夫する必要があります

 オープンクエスチョンをするならば、先にある程度の情報を共有する必要があります。「それは部署内にいれば自然と分かってくること。分からないのは勉強不足」と思う方もいるかもしれませんが、そうとも言い切れません。

 このケースの場合、例えばPRの方法一つとっても“なんでもアリ”というわけにはいかないはずです。自部署が重きを置いている価値や使えるリソース、媒体は何か――といったように、リーダーの方針やメンバーの数などによってアプローチの仕方は異なります。少なくとも「部署のミッションや上司からの期待」は明言しないと相手には伝わりません。そのほかにも部署特有の暗黙知や得意分野など、新メンバーが知らないことはたくさんあるはずです。

 「うちの部署に与えられたミッションは○○である」「ターゲットは中小のシステム担当だが、社内のなんでも屋と化している人たちにアプローチする」「君には○○に期待したいと思っている」といった表現ではっきりと伝えるのがコツです。

 今回のケースで挙げた新メンバーは“やる気がない”のではなく、部署のためになる要素を理解した上で、自分のミッションを設定しようと考えた可能性が高そうです。もちろん、上司が一方的にしゃべりすぎるのも部下の自主性を削ぐ可能性があるため、あまりいいことではないのですが、ミッションを部下が納得する形で伝えることがマネージャーの仕事。必要な情報は先に伝え、新メンバーが正しく考える手がかりを与えることで、冒頭のケースで挙げたようなすれ違いは防げるはずです。

 ただしこれは、あくまでスタイルの1つであり、自分がやりたいことを軸に仕事を設定する人もいます。どちらが良いというものではなく、相手の特性によって質問の方法を変えるのが大事なのです。

今回のまとめ

Q:新メンバーと今後の事を面談したんですが、どうにもやる気が感じられません。ハズレをひいてしまった感があります。

A:面談で使う質問は、相手の知識に合わせて使い分けていましたか? 相手が答えにくい質問をしたことで、正しい評価できなくなっている可能性があるので注意してください。


著者プロフィール:岩淺こまき

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 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師

 大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気づく。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。


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