連載
» 2014年11月10日 11時00分 UPDATE

明日を変える働き方:「会社の方針」と「自分の価値観」のすり合わせ (1/2)

仕事の不満は、会社の目指す方向と自分の目指したいもののギャップに原因があることも。第三者に仕事の不満をロジカルに説明すると、自分の価値観と仕事の何が対立しているのかが明確になるでしょう。

[金井壽宏,Business Media 誠]

集中連載「明日を変える働き方」について

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本連載は、金井壽宏著、書籍『「このままでいいのか」と迷う君の 明日を変える働き方』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

 「この仕事は、自分に合っているのだろうか?」
 「今のような働き方が、いつまで続くんだろう……」

迷いながら働く人のために、キャリア研究の第一人者が、仕事の本質から会社との付き合い方、キャリアの捉え方まで、読者と一緒に考えていきます。

長い仕事人生にはアップダウンがつきもの。ワクワクしながら前向きに取り組める時期もあれば、失敗や思わぬ異動に落ち込む時期もあるのが当然です。

本書では、一般の企業で働く若手14名へのインタビューをもとに、仕事の「モティベーション」、そして「キャリア」の悩みから抜け出し、成長していくための考え方を紹介します。

 ・いったい自分は、何のために「働く」のか?
 ・「組織」とどこで折り合いをつけるか?
 ・これからの「キャリア」をどうデザインするか?
 ・もっと仕事に夢中になるためには?

など、キャリアの入口、あるいは途中で立ち尽くしている人が、自分なりの「働き方」をつかむための1冊です。


仕事と自分のやりたいことの対立

 仕事に対する不満は、会社の目指す方向と、自分の目指したい方向のギャップに原因がある場合もあります。次に紹介するSさんは、まさにそのギャップに悩んでいました。

家具メーカー、デザイン部のSさん(26歳、女性)の場合

 Sさんは、家具メーカーでオフィス環境をデザインする部署で働いています。自社の家具を販売するのを目的とした上で、クライアントの要望を聞き、内装をデザインします。「当社の家具を使えば、こんな内装にできますよ」と提案するのです。

 もともとSさんが建築デザインの道を志したのは、高校生のとき、テレビでルイス・バラガンというメキシコの著名な建築家の仕事を見て感動したことがきっかけでした。

 そこで「人が暮らす空間に、よい影響を与えられるような仕事がしたい」と思い、建築デザインを学べる大学へ進みます。就職活動をはじめる前にゼネコンや設計事務所などのオープンデスクやアルバイトを10社くらい体験し、自分には内装の仕事が合うと感じて、内装インテリア系の会社を選んだそうです。

 しかし、最近のSさんには悩みがあります。

 1つは、会社の価値観(方針)と自分のやりたいこととのギャップが大きくなっていることです。Sさんが勤める会社はデザインにあまりこだわっておらず、家具メーカーの一部署としてデザイン部があります。そこでは内装デザインは、家具を売るツールの1つとして扱われています。上司もあまり内装デザインについては詳しくなく、Sさんのデザインに対してアドバイスをしてくれる人もいません。そのために「ここでずっと働いていては、インテリアデザイナーとして成長できないな」と強く感じるようになりました。

 もう1つの悩みの種は、クライアントとのやりとりです。

 Sさんがセンスのよい提案をしても、「デザインは何でもいいから、とにかく安く仕上げてくれ」「そこまでやらなくていい」といわれてしまうことが多く、納得のいく仕上がりにならないことがよくあります。

 このような状況のため、Sさんは今、転職することを検討しています。その準備として、最近ではなるべく早く帰宅し、一級建築士の資格をとる勉強をはじめたのと同時に、転職活動に使う仕事の実績を記載した作品集もつくっています。

 「就活のときに、本当は設計事務所で働きたいと思っていたのに、給料の低さと毎日終電になる生活に、ちょっとおじけづきました。また、自分がそこまで働くのが好きなのかどうかも疑問だったんです。でも、今の会社で働いていて不満が募ってくると、『やはり死ぬまでに1回は“とことん働く”ということに挑戦してみないと後悔しそうだな』と考えるようになってきました。今の仕事を100%自慢に思えない。そんな心残りを持ったままでいたくないんです」

 今はとにかく、自分のデザインをよくもわるくも評価してくれる人がほしいと考えています。尊敬できるような先輩や上司の下で、デザイナーとして怒られながら成長することを求めています。転職活動もそのためです。

 そしてまだ漠然とした夢ですが、Sさんは将来、自分の好きなものをつくって、それを自分で販売するような形の仕事ができればと考えるようになりました。世の中のニーズやクライアントの要望に応えるだけでなく、自分の作品を自由につくって売る。そんな夢を持つSさんに、家族は「超売れっ子のアーティストになるしかないと思うけど」と釘を刺すそうですが、いつかその日がくることを願いつつ、毎日働いています。

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