自分らしいスピーチ キーワードは「高さ」と「速さ」表現のプロが教えるスピーチの兵法(2/3 ページ)

» 2014年11月10日 07時00分 公開
[企業実務]

 「地声」とは、例えば、仕事で使う電話に、かけてきた相手の番号が表示されないとき、あるいは表示番号に覚えがないときを思い出してください。

 恐らく皆さんは、「○○社の△△でございます」と取り澄ました声で電話に出ることでしょう。そして、電話の主が同僚のAさんと分かった瞬間、「なんだAさんか」と一気に声が変わるはずです。その一気に変わった声。それがあなたの地声です。

 最初の取り澄ました声は社会性を意識した取りつくろった声で、一般的に地声より高くなる人が多いです(まれに逆になるケースもあります)。その不自然に高い声からは演技性が感じられ、相手はその声の主を信頼しません。

 ですから「親しみやすさ」「活動性」を選んだ人は、「○○社の△△でございます」よりは低く、「なんだAさんか」よりは高い声を出すようにしましょう。「社会的望ましさ」を選んだ人は「なんだAさんか」の低めの声がお勧めです。こうした声を出すことで、聞き手はあなたが腹をわって本音を語っているように感じ、信頼します。

 次に、話す速度ですが、1分間に300文字を基準に速いか遅いかをチェックします。

 アナウンサーがニュースを読むときの目安は1分間300文字です。この速度は初めての内容であっても聞き取りやすく、何か作業をしながらの「ながら聞き」をしていたとしても理解できるゆっくりとしたペースです。

 「親しみやすさ」「社会的望ましさ」の人は1分間に300文字、「活動性」の人は1分間に450文字を目指すようにしましょう。

 自分の話しているスピーチなどを録音し、文字に起こして数えるのが理想ですが、面倒でそこまでする人は少ないことでしょう。

 私のこれまでの経験で多いのは速く話す人です。人前で話し慣れている人、ゆっくり話そうと意識している人であっても1分間400文字になるケースは珍しくありません。

 そこで、テレビのニュース番組を見ながら、アナウンサーが伝える内容を後を追いかけるように口に出すなどし、1分間300文字の感覚をおさえてみましょう。

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