当事者意識のない人は一生成長できない外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術

仕事上での信用、信頼はものすごく大きな財産となる。トラブルに見舞われたとしても、当事者意識を持って仕事をすれば周囲の信頼も得られるし、リカバリーの経験があなたの成長を加速させるのだ。

» 2014年11月17日 05時00分 公開
[川井隆史,Business Media 誠]

集中連載「外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術」について

本連載は、川井隆史著、書籍『「外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

一般的に、外資系企業に勤めるビジネスパーソンは「成長のスピードが速い」と言われます。それは、最短3日で将来の幹部候補生を見分けるというGEのように、社員に対する激しいプレッシャーと期待感があるからです。そのような環境の中、外資系エリートたちはつねに努力をし、日系企業に入社した同期とは比べ物にならないほどの速さで成長するのです。

外資系エリートが実践する仕事術といっても、基本的には誰もがすぐにマネできるものばかりです。中でも、特に大切な3つの心構えがあります。

 1. GEで学んだ 「すぐに動け」
 2. アーサー・アンダーセンで学んだ 「期限は死んでも守れ」
 3. 日本コカ・コーラで学んだ 「言われたことだけやるな」

この3つの心構えを守るだけでも、あなたは「すぐ成長する」人に変われます。


仕事上での信用、信頼は大きな財産

 これまで、すぐ成長する人に共通する心構えを紹介してきたが、逆にすぐ成長する人の対極にいるのが「当事者意識のない人」だ。

 当事者意識のない人は何かトラブルがあったときにスーッと消えてしまう。トラブルというのは、考えようによっては事前防止策の仕組みをつくるチャンスである。しかし、それをいつまでもマイナスの出来事ととらえて逃げていると、

 「あの人はいつも言い訳がましい」
 「あの人はこんなトラブルがあったときに後輩になすりつけていた」

 といったうわさがあっという間に広まってしまう。

 外資系企業の人間関係は、日系企業のように親密でウエットではない。だからこそ、仕事上での信用が大切なのだ。「飲み会では好かれる、仕事以外のつながりで挽回する」ということはあり得ない。仕事上での信用、信頼はものすごく大きな財産となる。それは、プロフェッショナルとしての人間的信用だ。

(写真と本文は関係ありません)

 じつは、私もかつて当事者意識のない上司に裏切られたことがある。ある不良在庫に関して廃棄するという判断であった。提案者は私だったが、このときの上司はとにかく細かい人間で計算数字の隅々まで私に説明をさせた。もともとの上層部へのプレゼンは1時間なのに対し、彼には3時間以上説明をしたくらいだ。

 しかし、実際の上層部へのプレゼンでは、廃棄の金額が大きいため上層部の不興を買ってしまった。当日、不良在庫をただ廃棄するだけでなく、利用する方法や不良在庫になった責任の追及が不十分などの意見が出た。自分はそれに対し説明をしていたのだが、例の上司も上層部と一緒になって、いかにも当事者でない顔をして分析の細かいあらなどを指摘などしてきた。いわゆる「うしろから矢を放つ」行為である。

 味方であると信じていた上司に裏切られたわけだが、私も若かったので「あなたには昨日、その点について3時間以上説明をしているはずです。なぜその場で言ってくれなかったのですか」と切って捨ててしまった。彼はそれだけでなく、似たような行為を他でもしていたので、上層部の信頼を完全に失い、しばらくしてクビ同然で会社を去った。

 最後に、私自身が当事者意識を持ってトラブルを解決したときのことを話そう。

 以前、取引先に対する新製品の製造委託の提案書に、担当者との意思疎通がうまくいかず、理不尽と思われるくらい低い委託価格の数字を提供してしまったことがある。

 当然、その担当者にはかなり盛大に怒られたが、私は自分の失敗をきっちり認め、責任をとって後始末まできちんとやった。その取引先まで担当者と一緒に出向き、状況を説明したので、取引先も納得してくれて今まで通りの取引ができたのである。担当者も自分の伝え方も悪かったと謝ってくれ、リカバリーに協力したことに感謝され、結果的にその担当者との信頼はかえって厚くなったと実感している。

 このように、どんなときでも当事者意識を持って仕事をすることで、周囲の信頼も勝ち取れるし、リカバリーの経験があなたの成長を加速させるのだ。

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