「すばらしいアイデア」に要注意、スタートアップを始める前にナレッジワーキング!!(2/2 ページ)

» 2014年11月19日 08時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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新規ビジネスは、What(何をやるか)よりもWho(誰とやるか)!

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 いざ、始めてみるとよく分かるのですが、ビジネスは軌道修正が欠かせません。最終的に軌道に乗ったビジネスが当初の「プランA」のままでいけたケースはそれほど多くないでしょう。

 ソニーだって最初の自社製品は炊飯器でしたし、決済サービスのPayPalだって最初のビジネスモデルは携帯端末の暗号化技術でした。筆者の会社はショーケース・ティービーという名前です。社名から想像できるとおり、最初はネット動画をビジネスの根幹に置いていました。今はWebサイト最適化サービスがコア事業で、動画制作事業は数年前に他社に譲渡しました。

 必ずしもプランAではうまくいきません。プランBになるかもしれないし、C、D、E……とビジネスの形は様変わりするかもしれません。そんなときには、最初のビジネスモデル、つまり「What(事業、サービスの内容)」はさほど問題ではないのです。

 それよりも重要なのは、「Who(誰とやるか)」です。自分と同じ起業への思いをシェアでき、誠実で、真摯(しんし)な態度で一緒にやっていけるパートナーが大切です。ベンチャーキャピタリストも出資の際には、ビジネスそのものや市場性をチェックしますが、最終的には経営チームがしっかりしていて、最後まで弱音を吐かずやり遂げられそうかどうかをチェックするものです。

 パートナーは友人や家族である必要はありません。むしろ、そうでないほうがいい。友人や家族との縁ゆえに、ビジネス現場で本音が言えず、厳しい決断を迫られるときに足かせになりがちです。ビジネスを継続するために友人や家族としての縁を切らなければならないといった状態に陥ることが少なくないのです。

 仕事ぶりがまじめで、自分にはないものを持っている人、そうした人はあなたにとっての重要な人的資本となる可能性が高いものです。そうした人々とのパートナーシップが築ければ、何をやるかは後から決めてもいいと思います。

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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