上司の重要な仕事のひとつは、部下の能力を引き出すこと。部下の力を最大限に発揮させることで、管理、監督者としての自分のバリューも上がります。今回は、マッキンゼーの「できる上司」たちの3つの共通点を紹介します。
本連載は、大嶋祥誉著、書籍『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。
「成功したければ、今すぐ、習慣を変えよ!」
どんなに高名なシェフでも、客を3時間待たせるわけにはいかない。数分、数十分の間に、最高の料理を出す必要がある。
世界最高のサッカー選手も、与えられる90分の試合で結果を出さなくてはならない。点が取れないからといって「あと10分延長してほしい」とは言わない。
プロフェッショナルとは、限られた時間の中で、最高のパフォーマンスを出す人たちのことだ。クオリティーだけを求めるのではなく、また、スピードだけを求めるのでもない。その両方を追求しながら最高のバリューを出す。これが一流の一流たるゆえんだ。
本書では、世界最高峰のコンサルティングファームで大切にされている39の仕事の習慣を紹介。マッキンゼー流で、仕事のクオリティーとスピード、両方を身につけよう。
上司にとって、重要な仕事のひとつは、部下の能力を引き出すことです。マッキンゼーでは、自分が任されているプロジェクトを管理、監督し、クライアントのために全体のバリューを最大化することが、上司のミッションです。
現場でそれぞれの仕事にあたってくれている部下の力をめいっぱい発揮させることで、結果的に管理、監督者としての自分のバリューも上がるのです。
では、マッキンゼーの「できる上司」たちは、どんな特徴を持っているのでしょうか。そこには3つの共通点があります。
チームは、明るく楽しく、ワクワクして仕事をできれば、大きなバリューを生むことができます。上司は、そのために自分が何をすればいいかを考えればいいわけです。
部下の能力を最大限引き出すためには、部下を「認める」ことが何より大切です。「褒める」と似ていますが、じつは大きく違います。
「認める」とは、その人の存在そのものを認めることです。その人のすばらしさを知っているということ。
一方、「褒める」は、こちらが期待したことを、その部下が達成したときに行うもの。いわば、条件付きなのです。
人は、条件付きで褒められるより、存在そのものを認めてもらっていると感じたときにこそ、やる気のスイッチがオンになります。そして、成長していくのです。
部下を成長させる上司とは、部下を「認める」上司のことなのです。
部下を認め、共感しながらインスパイアする、とても簡単な方法があります。部下を、とにかく認めて認めて、認めまくることです。「この部下の強みは何か?」を見つけるのです。どんな部下でも、その人が本来持つすばらしい特質があるものです。
それぞれの部下の強みを、最低10個リストアップしてみてください。 そして、その強みを、部下自身に伝えてみるのです。
「○○くんは元気で、周りを明るくしていいね。それはきみの才能だよ」
そう言われた部下は、認められている、共感を得られたと考え、居心地がよくなって能力が引き出されます。認めてくれた上司を信頼するようにもなります。
大切なのは、成果を出したから認めるのではなく、その部下のありのままの存在を認め、それをちゃんと知ってるよ、感謝してるよ、と伝えることです。
つい怒ってしまいがちな上司には、一度、相手がだれであろうと「過剰に認める」くらいの勢いで接してみることをおすすめします。
その部下が、現状ではバリューを出せていなかったとしても、ひとつや2つ、得意なこと、頑張っていることがかならずあるはずです。返事が快活、笑顔が素敵、服や持ち物のセンスがいいなど、何でもいいのでいいところを見つけて、そこをまず、きちんと認めること。問題点を指摘するのは、そのあとで十分です。認められた部下は、どこを認められようと、テンションが上がることで結果として全体的なバリューの向上が期待できます。
やたらと怒ってばかりいる上司がいますが、これでは何の成果も出せません。
まずはチームメイトである部下を認める。それができる上司への第一歩です。
できる上司は、部下を認め、共感し、刺激する! 認めることで、部下のやる気を引き出そう
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