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» 2014年11月27日 09時00分 UPDATE

マッキンゼー流“できる上司”の習慣:部下に「仮説」を立てさせる

マッキンゼーの上司が部下を叱るときには、感情的に怒ることはしません。何が問題でどうしたらいいのか、部下が自ら考えるように話します。

[大嶋祥誉,Business Media 誠]

集中連載「マッキンゼー流“できる上司”の習慣」について

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本連載は、大嶋祥誉著、書籍『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。

「成功したければ、今すぐ、習慣を変えよ!」

どんなに高名なシェフでも、客を3時間待たせるわけにはいかない。数分、数十分の間に、最高の料理を出す必要がある。

世界最高のサッカー選手も、与えられる90分の試合で結果を出さなくてはならない。点が取れないからといって「あと10分延長してほしい」とは言わない。

プロフェッショナルとは、限られた時間の中で、最高のパフォーマンスを出す人たちのことだ。クオリティーだけを求めるのではなく、また、スピードだけを求めるのでもない。その両方を追求しながら最高のバリューを出す。これが一流の一流たるゆえんだ。

本書では、世界最高峰のコンサルティングファームで大切にされている39の仕事の習慣を紹介。マッキンゼー流で、仕事のクオリティーとスピード、両方を身につけよう。


 前回、できる上司は部下を認めて認めまくる、と書きました。

 しかし、認めるだけでは部下は壁にぶつかってしまいます。ときには「叱る」ことが必要でしょう。この「叱る」ことに悩んでいる上司は、少なくありません。

 その悩みは、主に2つに分類されます。

 まず、叱ることそのものが苦手で、本当は注意しなければならないときでも、できることなら避けて通りたい、という悩み。

 もう1つは、自分でも気を付けているはずなのに、ちょっとしたことでイライラしてしまい、叱っている間に、つい怒りが怒りを呼んでさらにエキサイトしてしまう――という悩み。

 この人たちは「やりすぎた……」と、いつも後悔します。しかし、怒り出すとセーブがきかなくなってしまうのです。

 しかし、「怒る」と「叱る」はまったく違う行為です。「怒る」は単に自分の感情をぶつけているのに対し、「叱る」は改善してほしいことを伝える行為です。

ks_business01.jpg (写真と本文は関係ありません)

叱るときの3つの鉄則

 実は、どちらのケースも解決策は似ています。私が考える解決策は、次の3点です。

1. 感情的にならない

 感情的になってはいけない理由は、怒る側も怒られた側も、最終的にはバリューを出しにくくなるからです。

 仕事を速く進めてほしいときに、「遅い。このノロマが!」と怒鳴ったところで、何の解決策にもなりません。相手を萎縮させ、ときには恨みをかいます。部下の仕事は速くなるどころか、質が低下してしまうでしょう。

2. 人前で叱らない

 人前で叱ることは避けるべきです。叱られている側は、他者の視線にさらされていることに敏感です。自分自身の評判が落ちていく瞬間を目の当たりにさせられるのですから当然です。たとえ上司が冷静に叱っていても、部下が恥をかかされたと感じれば、わだかまりが生じてしまいます。

 一方、人目につかない場所でなら、叱られる側も「自分を気遣ってくれている」「フォローしてくれている」という感覚を持つことができます。

 叱るときほど、細やかな気遣いが必要なのです。仕事の成果に結びつくように、部下が育つように、効果的に叱ることが大切です。

3. 仮説を立てさせ、具体的なアクションを考えさせる

 マッキンゼーの上司が部下を叱るときには、感情的に怒ることはしません。何が問題でどうしたらいいのか、部下が自ら考えるように話します。今後改善する点、さらに成長するために何ができるか、という視点で関わり、部下を成長させようとします。

 「何が原因でできなかったのか?」
 「改善点、より成長できる点はどこだと思うか?」
 「自分が上司だったら、きみという人にどうしてほしいと思うか?」
 「今後、どんな行動をとったらいいか? どう進めるといいか?」

 というように質問をし、部下が自ら考え、行動するように促します。

 コンサルタントがクライアントの問題解決に対して抽象的な策を提示しないのと同様、上司も部下の問題解決のために注意するのですから、その内容は最初から最後まで「具体的」であるべきです。それが提示できないのは、単に叱る側の能力の問題です。

 問題点を整理させ、仮説を立てさせ、それにそって具体的なアクションを考えさせる。ゼロ発想、俯瞰(ふかん)視点、仮説思考を駆使し、具体的な行動につながるように指導することが、上司の「役割」なのです。

マッキンゼー流“できる上司”の習慣 その3

部下に配慮しながら叱れば、能力を発揮してくれる。
仮説を立てさせ、具体的なアクションに結びつけよう


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