「自分でやったほうが速い」という考えは捨てるマッキンゼー流“できる上司”の習慣(1/2 ページ)

上司の大切な仕事の1つは、自分が少し我慢をしてでも部下に任せてみることです。表に出ていない才能や特徴など、部下の想像を超える力を引き出せるのが、本物の上司なのです。

» 2014年12月01日 09時00分 公開
[大嶋祥誉,Business Media 誠]

集中連載「マッキンゼー流“できる上司”の習慣」について

本連載は、大嶋祥誉著、書籍『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。

「成功したければ、今すぐ、習慣を変えよ!」

どんなに高名なシェフでも、客を3時間待たせるわけにはいかない。数分、数十分の間に、最高の料理を出す必要がある。

世界最高のサッカー選手も、与えられる90分の試合で結果を出さなくてはならない。点が取れないからといって「あと10分延長してほしい」とは言わない。

プロフェッショナルとは、限られた時間の中で、最高のパフォーマンスを出す人たちのことだ。クオリティーだけを求めるのではなく、また、スピードだけを求めるのでもない。その両方を追求しながら最高のバリューを出す。これが一流の一流たるゆえんだ。

本書では、世界最高峰のコンサルティングファームで大切にされている39の仕事の習慣を紹介。マッキンゼー流で、仕事のクオリティーとスピード、両方を身につけよう。


思い切って、任せる

 前回「だれにも相談できない病」についてお話しましたが、もう1つ、できる人ほどかかりやすい病があります。

 「だれにも任せられない病」です。

 上司である人には、そのポジションを得た理由があります。マッキンゼーで言えば、それまでのキャリアにおいて高いバリューを出してきて、現在も人をまとめながら「クライアント・インタレスト・ファースト(顧客利益最優先)」という、マッキンゼーの「コア・バリュー(中核的な価値)」を保ち続けられているということです。

 そのようなすばらしい能力があるからこそ、「ぜひ責任ある立場にいてほしい」と会社から言われ、しかるべき報酬も与えられているのです。

 日本の企業でも、基本的には能力が高くそれなりにキャリアがある人が上司のポジションに座っているはずです。

 だからこそ、部下に任せられない病にかかってしまうのです。

 「自分でやってしまったほうが早い」とばかりに、自分で抱え込んだり、手取り足取り部下に指示を出しすぎたりして、想像以上の負荷がかかり仕事がどんどん遅れてしまうのです。

 「部下よりも、キャリアも経験もある自分のほうが、短期的には速くてクオリティーの高い仕事ができる」

 それは事実ですが、決してそこに溺れてはいけません。

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