「自分でやったほうが速い」という考えは捨てるマッキンゼー流“できる上司”の習慣(2/2 ページ)

» 2014年12月01日 09時00分 公開
[大嶋祥誉,Business Media 誠]
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任せることで部下の実力を高め、信頼関係を強める

 マッキンゼーの上司たちは、部下に任せるのが上手でした。分担を明確にし、期限とゴールイメージをきちんと説明し、それぞれのメンバーのやる気を引き出していきます。

 上司の大切な仕事の1つは、自分が少し我慢をしてでも、部下に任せてみることです。

 自分で処理したほうが速く終わって、クオリティーも高いに決まっている。それを分かった上で、あえて部下に任せてみる。

 それも細かくあれもこれも指示するのではなく、部下のキャリアと能力に合わせて、自ら考え、力を発揮する余裕を与えるのです。

 その際、「少し自分のアイデアも交ぜてみてよ」などと励ましたり、アイデアやヒントを与えたりできれば完璧です。これによって信頼関係も強まります。

(写真と本文は関係ありません)

 最初は、かならずと言っていいほど時間は余計にかかりますし、仕事のクオリティーやレベルの管理にも時間をとられるでしょう。

 しかし、この過程を経なければ、いつまでも本物の上司にはなれません。

 同時に、配属された部下は成長力を失い、チーム全体のバリューを引き出すことができず、中長期的にはより時間がかかるようになって、上司としての自分の評価もマイナスになるのです。

 優秀な組織にいる若い人ほど、本当はまだ表に出していない才能や特質、特徴、得意分野を持っています。与えられた課題に対して、80、90点を取ることもあるでしょう。それでも仕事として十分なことはたしかです。

 しかし、彼らが100点を超えるような、正解を超越するようなバリューの発揮をしてこそ、次のステージに進むことができるのです。そのためには、あなた1人ではなくチームの成長が不可欠です。

 思ってもみなかった、想像を超える力を引き出せるのが、本物の上司なのです。

マッキンゼー流“できる上司”の習慣 その5

「自分でやったほうが速い」という考えは、だれかの上司になった時点で捨ててしまおう。


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