終了した「苦情・クレーム博覧会」と同じように、世の中のあらゆる不満を集める企業も登場しました。社名も分かりやすく「不満買取センター」。日常のあらゆる不満を1件10円で買い取り、商品開発やサービスの改善、企画のアイデアなどに活用できる「情報」として、個人や企業向けに提供しています。「不満ライブラリー」というサイトやメルマガで配信するほか、業種別・職種別に不満を整理し冊子化して、企業向けに販売しています。
ライブラリーに投稿される不満は玉石混交。単なる愚痴レベルの不満もあれば、商品開発にすぐに役立ちそうな不満もあります。
「レジで待たされる」
「通信販売、オンラインショップ、配送業者の送料が高い」
「地元の図書館の蔵書のセンスが悪い」
「服を買うときお店の人に近くでウロウロされるのが不満」
「過剰包装をやめてほしい」
「スーパーの開店時間を夏だけでも8時30分か9時にしてほしい」
集められた不満はすでに6万件を超え、今後、この情報を生かした商品やサービスがつぎつぎに開発されていくことになるかもしれません。苦情やクレームは、ビジネスにおいて立派な資源になり得るのです。
「嫌なこと」は、なにも商品開発だけに使える資源ではありません。管理セクションでも営業セクションでも、そのほかの仕事でももちろん活用できます。
人事や総務のセクションであれば、社員が会社に対して思っている「嫌なこと」を集めることで、社員満足度を高めるアイデアが生まれるでしょう。営業セクションであれば、クライアントの「嫌なこと」に、売り上げアップの秘けつが隠れています。
どのセクションであれ、まずは「嫌なこと」を集めることから始めてみてください。部署内でテーマを決めて持ち寄るのもいいですし、社内アンケートなどから集めるのもいいでしょう。最初の一歩は、「何を嫌だと思っているか」を知ることからです。意外に自分たちが考えていたこととは違うことを嫌だと思っていたりするかもしれません。
例えば、ある調査によるとオフィスで女子社員が一番不満に感じているのは「空調設備」だそうです。なぜなら、内勤者は空調の影響を四六時中ダイレクトに受けているからです。寒かったり暑かったり、乾燥していたり……。
こういう視点などは、社内のどこに座っているかでも変わってきますから、人によってはまったく気付かないことかもしれません。
このように、自分が思っている「嫌なこと」はもちろん、ほかの人にも「嫌なこと」を聞いてみることで、新しいアイデアが生まれてきます。ぜひ「嫌なこと」をあちこちから集めてみてください。
→連載:「書くだけで人生がうまくいく嫌なことノート」 記事一覧はこちら
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