「もの」に関わる仕事を知る新人・若手担当者のための総務の仕事術(3/3 ページ)

» 2015年01月19日 06時00分 公開
[企業実務]
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固定資産管理の手順

 適切な固定資産管理の手順は、以下のようになります。

1. 減価償却の内訳書をもとに「固定資産管理台帳」を作成

 固定資産管理台帳には、管理番号、資産の名称・型番、取得年月日、取得価額、購入先名、使用場所、管理部門と担当者名、保守契約の有無、故障時の連絡先、廃棄年月日の欄を設けて記入し、備品の仕様書やカタログを一緒にファイルしておきます。

2. リース契約書をもとに「リース物件管理台帳」を作成

 リース物件管理台帳には固定資産管理台帳の項目以外に、リース会社名、リース契約番号、リース期間と回数、リース料総額、月額支払額、再リースの有無と再リース料を記入し、契約時の見積書やカタログ、リース契約書とリース料の支払明細書などをファイルしておきます。

3. シールを作成

 管理台帳にもとづき資産コードを記入したシールを作成します。このとき、償却資産と少額減価償却資産、リース資産でシールの色を変えると資産区分が分かりやすくなります。

 なお、資産の管理番号を付与する際には、すでに減価償却資産の管理番号があるので、番号について経理との調整が必要です。

4. 台帳とシールを各部署に配付

 資産を使用している各部署にシールと台帳を配付して、現物にシールを貼ってもらいます。

5. シールの回収と不足分の申告受付

 各部署に配付したシールが残ればすでに廃棄された資産です。残ったシールを回収し、台帳に廃棄済みである旨を書き込みます。逆に、現物があるのにシールがない資産があれば申告してもらい、台帳を作成しておきます。この管理手順に従って、各部署の資産棚卸を行います。

 以降は取得のつど台帳とシールを作成します。廃棄時には備品処分の伝票を作成してシールをはがし、伝票に処分年月日、担当者、処分の方法を記入して総務に提出してもらいます。償却資産の廃棄では、経理にも備品処分伝票を申し送ることで会計上も償却資産の廃棄処理を行います。

 IT化が進んだ昨今ではバーコードを利用した資産管理も可能です。コストとの兼ね合いがありますが、一度検討してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール:森口ひろみ

株式会社 ファースト・アシスト代表取締役。社団法人日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラー。1969年4月大西公認会計士事務所創立とともに入所。1971年より同事務所発展による事業拡大により総務職に就く。総務主任、総務課長、総務部長を経て、1989年10月株式会社第一会計設立とともに取締役総務部長に就任。2002年4月株式会社ファースト・アシスト代表取締役に就任。現在は総務職としての経験を生かし、クライアント企業の中期経営計画の策定、間接部門の確立・コンピテンシー人事制度の導入などを中心としたコンサルタント活動のかたわら、講演活動や女性経営者としてさまざまな異業種交流団体での活動を行っている。


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