ベスト・オブ・知的生産術――5年半の連載記事を振り返るナレッジワーキング!!・最終回(4/5 ページ)

» 2015年02月18日 10時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

プレゼンの構想図を描いてみる――「図解プロット」で上司に新規事業を提案する

プレゼンの構想図を描いてみる プレゼンの構想図を描いてみる――「図解プロット」で上司に新規事業を提案する(連載「プレゼンがうまい人の『図解思考』の技術」より)

 筆者は新規事業畑が長かったこともあり、とにかくパワーポイントで提案書を作成する機会が多かったのですが、とても時間がかかっていました。最初のころは力が入り過ぎたせいか、やたらとスライドの枚数が多く、カッコいいグラフなどを満載。そのわりに中身が薄っぺらな提案になってしまい、試行錯誤を繰り返す日々でした。

 前述の「図で考える」習慣を身に付けてからは、プレゼンの提案にも図解思考の技術を取り入れました。スライドを作成する前に、要件や課題の整理、提案内容のヌケモレのチェック、説明のためのストーリー立てを行います。いわゆる「構想」に時間をかけるようになったわけです。

 構想を重視するようになってからは、プレゼンのシナリオを考えるときにはノートとペンだけを持ってカフェにこもるようになりました。アナログなツールを手に、とにかく脳に汗をかくのです。その中で、提案に必要な「現状の課題」、将来こうありたいと思う「理想の姿」、現状と理想のギャップを埋めるための「提案の中身と実行計画」というように、論理立てて考える癖がつきました。

 提案の骨子ができ、その情報の並べ方(つまり、説明シナリオ)が完成すると、次にラフをサラっと描きます。どんなスライドにしよう、グラフは何を入れよう、イメージは……といった具合です。すべて準備が完了してからオフィスに戻り、そこで初めてパワーポイントを立ち上げるのです。骨組みがしっかりしているから途中でブレることもなく、見栄えだけに専念できるのでかえって効率が良いのです。

 どんなに見栄えがよく、派手な資料でも、中身がなければ相手の心をとらえることはできません。まずは「構想する時間」をたっぷりとって、脳に汗かいてみませんか?

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