大切な時間を有効活用したい、そう思う人が多い一方で、オフィスではムダなイベントのオンパレードだったりします。その最たるものが、会議です。
日本人は1カ月あたりおよそ25時間も会議に費やしているそうですが、出席している人の実に45%が「ムダな会議が多い」と感じており、41.7%の人は会議中に「内職」をしているとか。
大人数の会議は、出席している人たちの総時間給をかけた一大イベントであるわけですが、そのコストと時間にふさわしいアウトプットが生まれているかどうかといえば疑問符が付くでしょう。他の会議と内容がかぶっていたり、口頭ベースで齟齬(そご)が多かったり、いつも発言者がかたよったり……。生産性の低い会議に出ると出席者のモチベーションも低下し、ろくなことがありません。
筆者は長い会議、人数の多い会議、口頭での論争が大嫌いです。建設的な議論はウェルカムですが、多くの場合は他人の意見の揚げ足を取るかたちで自己主張のぶつけあいに終始しがちです。
だから筆者は、その逆を提案します。つまり、大人数ではなく2〜3人の少数先鋭の会議、会議室を事前に予約して閉じこもるのではなく、必要があるときに即座にホワイトボードの前で始める会議、ダラダラ何時間もやるのではなく15分、長くても30分で終わらす短い会議、口頭ではなくホワイトボードを使って図で整理しながら共有するビジュアル中心の会議です。
筆者は、こうした会議を「3S会議」と呼び、自分自身でも実践しています。そのために会社の壁も可能な限りホワイトボード化しています。議事録の代わりにスマホで写真をとれば議論の流れも共有できます。
いかがでしょう。ぜひ、みなさんのオフィスでも実践してみては? 個人の生産性以上にグループの生産性が高まるとアウトプットの質と量が格段に高まることうけあいです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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