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「話し上手は聞き上手」は本当か? コミュニケーションにおいて最も大切なこと本当にそうなのか?(1/3 ページ)

相手にとって役に立つこと、新しいこと、好奇心を満たすことを言うのは難しい。しかし、心掛けるだけなら誰にでもできるし、本当にそれだけで変わってくるのだ。

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誠ブログ

 最近、コミュニケーションに関する根本的な気付きを得る機会があった。

 私は、企業のPR用の事例制作の仕事もしている。先日、取材先の都合で年末に取材し、その次の日には書きあげた記事があった。


 商流を簡単に説明しておく。依頼元はPRしたい製品を製造販売しているA社。そこがC社に事例制作を依頼する。C社は条件の合う外注ライターに仕事を依頼する。今回はA社からの指名で私となった。導入したのはA社の顧客であるZ社。私はZ社に行って取材し、A社の担当者に記事を納品する。

 ややこしいですか? まあ、あまり記事の内容とは関係がないので図解まではしません。C社の社長と私の関係が分かれば十分です。

気付きのきっかけ

 A社(依頼元)はC社(事例制作会社=私から見れば発注元)にとって重要顧客である。そこで、念のためにA社の担当者に見せる前に、C社の社長にレビューを依頼した。私としては、現場感覚にあふれた良い記事だという自負があったので、あくまで念のためである。

 だが、ある意味ダメ出しをされてしまった。そのときC社の社長に言われたことが、気付きのきっかけになった。

 C社・社長の弁では、私の文章には自分の考え方と違うところが2つあると言う。ただ、A社からリピートが来ているのであるから、自分の考えを押し付けるつもりはないとも言う。私としては気になったので聞いてみた。

C社・社長(以下、C) 森川さんの記事は、取材相手の話を一般化しすぎるところがありますね。

森川 どういうことですか?

C 私から見ると、それはあくまでその人の体験談なんです。でも、「○○というものは××だ」と決めつけている。それって読む人の中には、取材された人のスキルが低かっただけと思う人もいる。

森川 なるほど。ただ、私としては、その「スキルの低い」人たちがターゲットだと思ったので、そう思う人は読者ターゲットからは外しています。

C そうですね。広告文としては、それでも正解かもしれない。だから、私はそう思うと言うだけで、そこに文句はつけていません。

森川 分かりました。で、もう1つの方は?

C これは、一般化と大いに関連があるのだけど、森川さんは読者の善意に期待しているところがありますよね。だけど私は読者の悪意を想定して書いています。要するに、森川さんは共感をベースに文章を書くけれど、私は読者というのは疑うもので、その疑問を1つ1つ消していくことに重点を置いています。

森川 それは確かにそうかもしれない。そのような指摘を受けたのは初めてですが、納得できます。さっきの一般化の話も含めて、よく考えてみます。

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