完璧じゃなくていい――40点主義のススメ:稼ぐ人の仕事術(2/2 ページ)
頭がよくて要領も悪くないのに仕事ができない、成果が出ない……。その場合、原因は完璧主義にあるのかもしれません。「完璧な仕事をする」という常識は捨てましょう。上司や顧客に書類を出すときも、まずは40点ぐらいで出してみて、そこから調整していくのが“デキる人”なのです。
まずは40点くらいで出して、相手の反応を見る
この商品があたるか?
この広告が成功するか?
このやり方でいいのか?
仕事では、こんな不安がつきまといます。
とはいっても、いくら経験上で「いけそう」と予測していても、大きく外す可能性もあります。逆もまたしかりです。つまり、最後は実際にお客さんに出してみないと分からないのです。あなたは神様ではないのですから。
だからまずは、40点で出してみる。フィードバックが返ってきたら、それに基いて60、80点にする。この姿勢でビジネスをしていくことが肝要となります。
デキる営業マンは、まさにこの方法が得意。いきなり完璧な提案書を作るのではなく、まずラフ案をお客さんに持っていきます。それで方向性が正しいかを確認してから、提案書を作り上げます。こうすることで提案の方向性を間違えることもなくなりますし、接触頻度も増やすことができます。
また、上司から仕事を受けた場合も同じです。上司が欲しいゴールのイメージを確認します。しかし、40点くらいでとりあえず出してみます。
40点であれば完全に方向を間違えていたとしても、それほどの手間はかけていないので、自分へのダメージはたかが知れています。そこで、また1から作り直します。
仮に正しければ、さらにどこを付け加えればいいかという方向を聞きます。それを基に修正すれば、60点や80点はすぐに取れます。
そもそもお客さんであれ上司であれ、自分の要求を正しく理解している人はほとんどいません。だから、とりあえず40点で出してみます。それで向こうの反応を探ってみるのです。その方向で正しい、間違っているという確認をしながら仕上げていきます。
そのほうが、相手が欲しいものを提供することができますし、途中の経過報告をしているのでごちゃごちゃ言われません。
逆に80点までアップする手間をかけて、ちゃぶ台返しをされたら……、これまでの苦労は全てパァ! になってしまいます。
40点主義に徹する。そして、あとは反応を見てブラッシュアップをする。それくらいがちょうどいいのです。
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