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“やらされ仕事”を“やりたい仕事”に変える2つの方法今日から自分プロデュース!(1/2 ページ)

日々の仕事で自分の能力が発揮できている――。こう自信を持って答えられる人は少ないでしょう。それは仕事の“やらされ感”が強いからかもしれません。仕事の目標を「与えられた基準」ではなく、自らの強みを基準にして捉え直してみてはいかがでしょう。

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 “日々の仕事において、自分の能力が発揮できていますか?”と聞かれたら、あなたはどう答えますか。

 「発揮できている」と自信を持って答えられる人はおそらく少数派でしょう。多くの人は「発揮できていない」とか「イマイチ分からない」という答えになると思います。仕事をする上では、自分の能力が生かせる環境にいるほうが少なくとも“おトク”だし、やりがいも出てくるはず。どうしてこうなってしまうのでしょうか。

 その答えの1つとして、自らの能力に対する明確な成果やフィードバックがないことが挙げられます。学校の試験を思い出してみてください。自分の解答に対して評価、例えば点数が与えられたと思います。点数がつくのは「模範となる答えがある」ためです。

 世の中にある多くの問題には、明確な答えがないものがほとんどですが、試験に出てくるような問題はさまざまな仮定が定められており、解くべき問題が明確になっています。あとは自分の知識や経験を使って、問題の落とし所を定めて解を導き出せばいい。このように定められた解答に向かい、現状とのギャップを埋めていくアプローチを「ギャップアプローチ」と呼びます。

問題を特定してギャップを埋めるだけでは限界がある?

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 目標の達成を阻んでいる問題を特定し、原因を分析し、あるべき姿と現実を埋めるためのプランを作って実行する――。このギャップアプローチの強みは“正確性”にあります。対処する物ごとがそれほど複雑ではなく、変化がさほど急激でなければ、手堅く仕事ができるのです。特に高度な正確性を求められる場合には、必要なアプローチでしょう。

 とはいえ、前回の記事で紹介したように、個人の志向が多様化しグローバル化も進む現代は、複雑で先行きが見えない「VUCAワールド」です。はっきり言ってしまえば、最近のビジネスはギャップアプローチが通用しづらい環境にあります。

 ビジネスを取り巻く環境が日々変化するため、特定するべき問題も次々と変わって、確定しづらいと思ったことはありませんか? そもそも解くべき問題が分からない、という状況も珍しくありません。また、ギャップアプローチだけでのマネジメントでは、「競合に勝つ」「予算○○円達成」といったような、“あるべき姿”を外から与えられるので、やらされ感を感じやすいところも弱点です。

 人は誰しもコントロールされすぎているとやる気をなくしてしまうもの。そのやらされ感が冒頭の「自分の能力を発揮できていない、発揮できているか分からない」というモヤモヤ感につながります。そこで、自らの能力を発揮したい場合、ギャップアプローチとは異なる「ポジティブアプローチ」という考え方が重要になってくるのです。

自分の強みや価値から目標を描く「ポジティブアプローチ」

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ギャップアプローチとポジティブアプローチの違い

 ギャップアプローチが目的地点を強く意識したアプローチだとすれば、ポジティブアプローチは出発地点を強く意識するアプローチといえます。自分や組織の潜在的な強みや価値を発見し、その力が最大限に発揮される状態をつくることで目標の実現へと向かう考え方です。

 ポジティブアプローチのメリットは、自分や組織の内面のエネルギーに目を向けるので、外部環境が変わっても目標がブレにくいことです。目標に立ち戻って考え直すときにも、自分の思いや考え方を再度見返すことになるので、エネルギーが湧いてきます。

 一方デメリットもあります。このアプローチ自体が自分や組織の強みや価値、エネルギーを解き放つことを重視したものであるため、ギャップアプローチと比べて着実性は低いです。つまり、より注意して実現へのステップを考えなければならないということです。描いた目標をどう実現するか考える際には、2つのアプローチをバランスよく使い分ける必要があるでしょう。

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