ルータ完全導入ガイド(2/16)
ブロードバンド・ルータはどのようなときに必要か?

 ADSLモデムやケーブルモデムには,いろいろな種類の製品があるが,もっとも一般的なものが,イーサネットのインタフェースを持つタイプだ。アナログモデムやISDN TAのように,最大でも百Kbps程度の速度であれば,PCとの接続にシリアルポートを利用することもできるが,ブロードバンドでは,数百Kbps〜数Mbpsの速度となるため,シリアルポートでは遅すぎてしまう(シリアルポートは標準で115.2Kbps,拡張ボード利用で460.8Kbps)。このため,ブロードバンド・モデムとPCとの接続には,イーサネットを利用することが多い(イーサネットは10Mbpsあるいは100Mbps)。

 ところが,イーサネットのポートを持つからといって,家庭内LANをそのままブロードバンド・モデムに接続しても,LAN上の複数のPCからインターネットに接続することはできない。これは,IPアドレスの割り当て数の問題だ。

 一般的なインターネット接続サービスでは,1ユーザーに対し1つのIPアドレスしか割り当てられない。インターネットに接続するためには,各PC1台ずつに1つのIPアドレスが必要である。1つしか割り当てられない場合は,そのままでは1台のPCしかインターネットに接続できない。

 そこで登場するのが,NAT機能をもつルータだ。NATとはIPアドレスの変換機構のことで,とくにIPマスカレードという技術を用いると,複数台のPCが,1つのIPアドレスを共用することができる。すなわち,それぞれのPCからインターネットに接続することが可能となる。

 もっとも,一部のサービスでは,1ユーザーに対して複数のIPアドレスを割り当ててくれるため,ルータがなくても複数台のPCからインターネットを利用できる。また,ルータ機能を搭載したADSLモデムのように,モデム自体がこのルータ機能を搭載していることもある。ルータ機能は搭載していないモデムは,ブリッジ・タイプ,搭載しているモデムは,ルータ・タイプと呼ばれる。

 以上をまとめると,ブロードバンド事業者によりIPアドレスが1つしか割り当てられなく,なおかつブリッジ・タイプのモデムを使用している環境で,複数台のPCからインターネットへ接続したい場合に,ブロードバンド・ルータが必要となるのである。

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[吉川敦,ITmedia]

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