ニュース 2002年7月19日 11:53 PM 更新

802.11bとBluetoothの干渉を“目で見る”

「ホットスポットの中はどうなってるの?」。ソニー・テクトロニクスブースでは、IEEE 802.11bとBluetoothの電波が干渉する様子を、計測機器を使って視覚化するデモンストレーションが行われていた

 同じ2.4GHz帯を利用する2つの無線技術〜IEEE 802.11bとBluetoothが干渉し合い、スループットの低下を招く――これは良く知られた事実だ。しかし、それを実際に“目で見る”機会はあまりない。「WIRELESS JAPAN 2002」のソニー・テクトロニクスブースでは、計測機器を使って干渉の様子を視覚化するデモンストレーションを行っていた。


 同社の計測機器デモンストレーションは、ネットワーク関連展示会の恒例行事となりつつあるが、今回は少し趣が異なる。テーマは「ホットスポットの中はどうなってるの?」。複数の無線規格が混在したホットスポットを想定し、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、Bluetoothのアクセスポイントを並べた。

 Bluetoothの普及に伴い、今後は無線LANとBluetoothが同居するホットスポットも登場すると見込まれている。それだけに、来場者の興味はIEEE 802.11bとBluetoothの干渉に向けられていたようだ。

干渉する原因は?

 Bluetoothは、1秒間に1600回という速さで周波数チャネルを切り替え、干渉のリスクを回避する仕組みを備えている。これがFH方式(周波数ホッピング方式)だ。しかし、TDD(Time Division Dupulication:短い時間周期で上りと下りを切り替え、同じ周波数を利用する方式)のBluetoothは、自分が使おうとした周波数帯に別のキャリアがいた場合でも、かまわずに送信してしまう。「仮に(そのキャリアが)ダメでも、次でリカバーする仕組みだ」(ソニー・テクトロニクス)。


Bluetoothの波形(上)。下は時間軸による伝送状況を示しており、キャリアが点在しているのが分かる

 一方のIEEE 802.11bは、イーサネットをベースとしたアクセス制御(CSMA/CD)の手順に従うため、利用しようとしたチャンネルに別のキャリア(今回の場合はBluetooth)があったときは待機する(キャリア・センスと呼ぶ)。Bluetoothのキャリアは、2402〜2480MHzの範囲でホッピングを行っているため、IEEE 802.11bを待たせてしまうことも多い。これが伝送速度を落とす要因の1つだ。

 2つめは、IEEE 802.11bが利用している周波数帯に、Bluetoothのキャリアが飛び込んできた場合。直接拡散方式のIEEE 802.11bは、15〜16MHzという幅広い周波数帯域を一度に使う。Bluetoothのキャリアがぶつかる可能性は低くない。

 「(特定の周波数帯に)Bluetoothが先にいれば、11bは入ってこない。しかし、11bが先にいるところにBluetoothが入ってくると、お互いにキャリアをつぶし合ってしまう」(ソニー・テクトロニクス)。


IEEE 802.11bの波形。下のグラフでは、時間によってキャリアが幅広い周波数帯を占めているのが分かる

 デモンストレーションでは、それぞれの波形をリアルタイムに表示しながら、どのような場合に伝送速度が落ちるのかを検証した。

 IEEE 802.11bを使って連続的にデータを転送しているところへ、Bluetoothを動かすと、それまで2Mbps程度だったIEEE 802.11bのデータ転送速度は1.6〜1.8Mbpsまで落ち込む。また、Bluetoothも400Kbpsから320Kbpsまで下がってしまった。

 計測器の画面(時間軸表示)には、幅の広い(広い周波数帯を使う)IEEE 802.11bのキャリアに、小さなBluetoothのキャリアが重なる様子が表示されていた。「干渉の度合いは距離によって大きく異なる。今回は数十センチしか離れていないため、大きく伝送速度が落ちたが、5メートル以上離れればさほど問題はない。電波に指向性を持たせればより効果的だ」。

 目に見えない電波の干渉も視覚化すると理解しやすい。旬のホットスポットがテーマということもあり、ブースの前には常に人だかりができていた。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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