ニュース 2002年10月25日 05:04 AM 更新

オンラインゲームに適した回線とは?〜スクウェア

「ファイナル・ファンタジーXI」をプレイするなら「品質の悪いブロードバンド回線よりも、安定したナローバンドのほうがいい」という。その理由は?

 オンラインゲームでは、帯域幅よりも大事なものがある。「e-Drive 2002」の2日目、スクウェアでネットワークシステム構築を担当する伊勢幸一氏が「オンラインゲームとQoS」と題して講演を行った。通常、QoSといえば、最低帯域保証などを思い浮かべるが、オンラインゲームのQoSはちょっと違う。


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 スクウェアは、独自のゲームポータルサイト「PlayOnline」を昨年立ち上げ、今年5月には同社初のMMORPG「ファイナル・ファンタジーXI」(以下FF XI)の本サービスを開始した。正確な会員数などは公表していないが、「サービス開始後、3カ月間で10万人を超えた」(伊勢氏)という人気ぶりだ。

独自インフラの理由

 一般的に、コンテンツプロバイダーが自らネットワークを作ることは少ないが、PlayOnlineでは、独自の各種サーバを含む独自のネットワークシステムを構築して各ISPと直接接続した。理由は2つある。

 1つはネットワークの管理体制だ。「他社に丸投げする方法もあったが、ユーザーからクレームを受けた場合に、すぐに対応できる体制を整えておきたかった」。

 網内に設けられたNFSサーバは、全ユーザーの動きをすべてログに書き出す。これにより、仮にクレームを受けた場合でもログを遡って対処することが可能だ。例えば「貴重なアイテムを入手したが、ログインしたらなくなっていた」などと虚偽のクレームを入れるユーザーがいたとしても、すべてばれてしまう。

Round Trip Timeが重要

 もう1つの理由は、PlayOnline立ち上げ当時、接続性に問題のあるISPやCATVが存在していたこと。時間によって帯域幅が変化したり、RTT(Round Trip Time)が長い場合があったという。「とくにRTTが長いと致命的」

 RTTは、クライアントが送信したデータセグメントが目的のサーバに届くまでの時間と、サーバから応答が返ってくるまでの時間を合わせたもの。サーバ自体のレスポンスではなく、サーバに至るネットワーク環境(経由するルータの性能やネットワークの混雑状況)に左右される。

 常時接続のブロードバンドインフラであっても、このRTTが長いと、その間のデータ送受信が滞る。「たとえば、キャラクターの動作が遅くなったり、遠くに居たはずのモンスターが、いきなり眼前に現れる“ワープ現象”が起きたりする」。ユーザーは驚き、ストレスが溜まるだろう。

 一方、FF XIの場合、帯域幅はあまり必要としない。FF XIのゲームシステムでは、1秒間に3回、サーバ側とデータをやり取りするが、データ量そのものは大きくないためだ。1人のクエストミッションなら300Kバイトから600Kバイト、最大3つのパーティが同盟を組んで戦う“フルアライアンス”(最大18人)の場合でも1Kバイトから4.5Kバイトという。この4.5Kバイトが上限に設定されているため、56Kbpsのアナログ回線や64KbpsのISDN回線でも動作する。

 「品質の悪いブロードバンド回線よりも、安定したナローバンドのほうがいい。RTTが長いと、ゲームが成り立たないからだ」

やっぱりブロードバンド

 とはいえ、帯域幅はやはり広い方がいい。イベントやアイテムが追加され、差分ファイルをダウンロードすることもあるからだ。事実、サービスが開始された5月16日から6月14日までの約1カ月間で、合計20Mバイトほどの差分がでている。ナローバンドの場合、ゲーム開始までに数時間待たされる可能性もあるという。

 コスト面にも大きな差が出る。同氏によると、FF XIではキャラクターがウェポンアビリティ(武器ごとに設定されている必殺技)を修得できるレベル5になるには約10時間、サポジョブミッション挑戦(本業のほかに別キャラクターの能力を手に入れること。レベル18以上で挑戦可能)までには100〜120時間はプレイすることになるという。

 「従量課金の回線では通話料の負担が大きい。やはりブロードバンドは必須という状況だ」。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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