リビング+:レビュー 2003/01/21 23:59:00 更新

突撃ルポ
「音声チャット」の誘惑 〜Xbox Liveしてみました

16日にスタートしたばかりの「Xbox Live」。スターターキットには「ボイスコミュニケータ」が同梱されており、ユーザー間で音声チャットを行えるのが魅力だ。どんな世界なのか? 早速体験してみました

 ついに買ってしまった、Xbox Live。周囲から「ホントにおもしろいの?」という冷ややかな声も聞かれたが、意に介さず購入に踏み切った。なにしろこれは、「しゃべれるオンラインゲーム」なのだ!

 Xbox Liveは、先週16日に始まったばかりのネットワーク接続ゲームサービス。競合サービス「PlayStation BB」と比べると、本体端末の普及度がイマイチなのが気になるところだが、スターターキット(記事参照)に同梱されている「Xbox ボイスコミュニケータ」を使えば、ユーザー間で音声チャットを楽しめるのが大きな魅力だ。

 スターターキットの実売価格は、都内の家電量販店で6120円といったところ。同店ではXboxの価格が1万9800円だったから、2万6000円程度払えばゼロからでもXbox Liveが楽しめる。

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スターターキットの中身。左に見えるイヤホンマイクがウワサの「ボイスコミュニケータ」

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ボイスコミュニケータは、ゲームコントローラに拡張アタッチメントを取り付けた上で、接続する

 Xbox Liveを楽しむには、家庭がブロードバンド環境である必要がある。Xbox側面にあるポートにLANケーブルを接続し、スタートディスクからID登録などを行えば、すぐにプレイできる。

 一連の登録作業は、なんらかのオンラインサービスを利用したことのあるユーザーなら、さほど戸惑わないはず。ちなみに記者は以前、PlayStation BBで「ファイナルファンタジー XI」をプレイした経験があるが、ファームウェアのアップデートやらなにやらでえんえんと時間をとられ、なかなかプレイできなかった記憶がある(記事参照)。しかしXbox Liveでは、初期設定にさほど時間をとられることなく、スムーズに始めることができた。

勇気を出して・初めての発言

 それでは早速、スターターキットに同梱されていたゲームソフト「PHANTASY STAR ONLINE」(PSO)を楽しんでみよう。PSOの月額利用料を購入し、アクセスするサーバを選択する。画面が暗くなり、明るくなった次の瞬間……耳に装着したボイスコミュニケータから、人の話し声が聞こえてきた。

画面
PSOの舞台となるのは惑星「ラグオル」。さまざまなステージに出かけ、調査を行う(写真提供・セガ)

 PSOでは、ゲームのスタート地点は「ロビー」と呼ばれる集合所。次々とログインしてくるユーザーであふれ、にぎやかな場所だ。

 ロビーにいるユーザーは、みな“様子見”の雰囲気で、ウロウロと歩き回っている。初心者も多いようで、意味もなく「あ」と発言して操作を確認するユーザーもちらほら。ただし、2、3人はボイスコミュニケータで会話していた。この声は、本人のイヤホンでは確認できないが、近辺にいる全員に届いている。

 せっかく耳にボイスコミュニケータを装着しているとはいえ、やはり全員の前で発言するのは気が引けるもの。中にはフキダシ(文字入力)で、「しゃべるのは抵抗あるよねー」と言っているユーザーもいた。この心理は、記者にも非常によく理解できた。

 とはいえ、体験しなければ記事にもできない! ということで、勇気を振り絞って、自宅の部屋で1人、テレビに向かってぼそぼそとしゃべってみる。

「あー、あー、きこえますか」

 すると! 次の瞬間、画面の中で複数のユーザーがフキダシで「はいはい」「聞こえますよ」などと反応してくれた。これは、意味もなく非常に嬉しかった。ちなみに、声で話しかけてくれるユーザーもいたが、どの声がどのキャラなのかサッパリ分からないため、「オレは今、ステージに立ってる」などと自己紹介が始まった。

 いざ会話を始めると、このシステムがいかに優れているか分かる。PlayStation BBでは常時、ひざの上に置いていたキーボードが、一切いらないほど(別に利用してもいいが)。声を聞くことで、文字では伝わらない微妙な感情も伝わるし、より身近に相手を感じることができる。音質はややディレイが感じられ、かつ、たまにエコーもかかるが、さほど問題ではなかった。

 さて、そのロビーでひときわ活発に発言していたのが“ice”さん。その場に外国人ユーザーがいることを知り、「Hi」とか、「OK牧場!」とか、しきりに話しかけていた。その彼に「OK bokujo ?」と聞き返す外国人ユーザーは、“ARMS”さん。なんでも香港出身、大阪在住の方とのこと。これに女性ユーザー“Hazuki”さんを加えたパーティ、その名も「OK牧場」に記者も参加させていただき、いざ冒険の旅に出かけたのだった。

「足でまとい」でドラゴンと戦う

 パーティはロビーを離れ、冒険のステージへと移動する。ARMSさんが「(人気歌手の)Mr.Childrenが好きなんだ」「ARMSという名前は、日本のコミックからとった」などと話し、残る3人がデタラメな英語で応じる――といった調子で、一行は先へ進んだ。

 森の中では次々と敵が出現して、パーティの行く手を阻んだ。ちなみに、記者はまったくの初心者で、キャラのレベルは1。しかしほかのユーザーはレベル10〜20とかなり強く、迫り来る敵をボカスカ倒していく。特に、銃器の扱いに長けた“レンジャー”であるARMSさんは、ミスチル好きだけあって、見えない敵にマシンガンをぶっ放す勢いで突き進む。

 一方記者はといえば、一所懸命敵に近づいて、ふりかぶって、ポカリと殴る程度。その後すぐ逃げないと、反撃されてぶちのめされてしまう。コレはあまりに弱いなと思っていたら、実は記者の選んだキャラは、魔法が得意だったのだ。中盤以降、それに気付いて魔法ばかり唱えていたら、今度はすぐにマジックポイントがなくなってしまった。ダメだこりゃ。

 それでも闘っているうちレベル2に上がり、みんなから「おめでと〜」と祝福をうける。あきらかに足手まといなのだが、誰もそうは言わない。実に、優しいのである。

 さて、ダンジョンの一番奥にいくと、不思議なワープゾーンが。ARMSさんが「Are you ready ?」と聞く。なんだ?と思いながらワープゾーンに入ると……そこには巨大なドラゴンが!!

画面
(写真提供・セガ)ドラゴンは空を飛び、火をはき、大地に潜る。攻撃パターンは多彩

 突然の強大なモンスターの出現に、どうしてよいものか分からず、ひたすらあたふたしていたところ、ドラゴンに、「ムギュ!」と踏み潰されてしまった(周囲から「ふ、踏まれてる……」というヒソヒソ声が聞こえた)。あら、死んじゃった〜と思い、なかば呆然としていると、なんとHazukiさんが回復魔法で生き返らせてくれた。

 その後、逃げ回ったり、ドラゴンの一撃を喰らって殺されたり、やっぱり生き返らせてもらったり、を繰り返しているうち、ドラゴンはアオーンと叫び声をあげた! ……ゆっくりと、崩れ落ちるドラゴン。そう、我々は、ボスモンスターを倒したのである。その瞬間、記者はレベル4に上がった!(なんとも、他力本願な方法ではあるが)。再び「コングラチュレイション」「パチパチパチ」と喜んでくれるみんな。ほんとありがとう……。

 その後、スタート地点に戻って、パーティは解散。「みんなおつかれ」「good-bye」などとあいさつを交わしたのだった。去り際に、みんなが立ち去り難そうにしていたのは、けっして気のせいではない(と、思う)。

今後のネットゲームの基本形に?

 実際にボイスコミュニケータを利用してみて感じたのは、これがワイワイガヤガヤ話し合うのに最適なツールだということ。敵からダメージをくらっての「痛ッ」という言葉や、とっさのギャグなどは、音声で表現する方が自然だ。また、めまぐるしく状況が変化する戦闘の最中には、音声で指示を出せた方が、パーティとして思い通りの作戦を展開できるだろう。

 PCゲームでも音声チャットを行えるものがあるが(記事参照)、まだ世間一般に普及しているとは言いがたい。しかし今後、「ネットワークゲームに音声チャット」は1つの基本型になっていくのでは……とさえ感じられた、記者のXbox Liveデビューだった。

オンライン将棋対戦相手募集!

リビング+では、Xbox Liveの「頭脳対戦ライブ」によって記者と将棋対戦してくれる読者を募集します。

条件は

  1. 「初段」を名乗る腕自慢の記者を倒す自信があり
  2. ボイスコミュニケータによる会話・取材に応じてくれること

ご希望の方は、以下の項目を記入の上、送信ボタンを押してください。

[新崎幸夫,ITmedia]



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