リビング+:ニュース 2003/01/30 19:30:00 更新


「FTTH普及への環境作り」〜So-netとUSENが提携内容を発表

ソニーコミュニケーションネットワークと有線ブロードネットワークスは、FTTH事業に関する提携の詳細を明らかにした。「移行しやすい条件を整えることがFTTH普及の鍵を握る」。共通のビジョンが両社の提携につながったという

 ソニーコミュニケーションネットワーク(So-net)と有線ブロードネットワークス(USEN)は1月30日、昨年末に発表したFTTH事業に関する提携の詳細を明らかにした。USENの連結子会社であるユーズコミュニケーションズ(UCOM)のFTTH網を利用し、マンションなど集合住宅に向けたFTTHサービスを展開するという。合わせて、So-netがUCOMに対して、9億8000万円を出資する。

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 So-netの山本泉二社長(左)とUSENの宇野康秀社長

 両社が共同で展開するサービスは、「So-net 光(USEN)」。既にUCOM回線が導入されている集合住宅では、あらたにSo-netをISPとして選択できるようになる。

 サービスメニューは、集合住宅内にイーサネットケーブルを敷設する「マンションE」タイプと、既存の電話線をVDSLに使う「マンションV」タイプの2つ。まず、東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県で展開するが、「今後は戸建て住宅への提供や、全国規模のサービスを予定している」(So-netの山本泉二社長)。

 サービス内容は下記の通り。

名称マンションEマンションV
建物内配線イーサネットVDSL
速度最大100Mbps最大16Mbps
月額料金4800円3500円(別途モデムレンタル料600円が必要)
初期費用1万8000円1万2000円
受付開始2月14日
サービス開始申し込み順で3月より順次開始

普及に向けた環境作りの時期

 提携の理由について、So-netの山本社長は「So-netブロードバンド会員の拡大とFTTH市場の普及拡大」を挙げた。同社のブロードバンド会員は、昨年12月末時点で37万人だが、年度末までに45万人に増やしたい考え。また、既存ユーザーの中にも高速化に対する要望は高く、FTTHに移行しやすい条件を整えることが、普及の鍵を握ると判断したという。

 また、USENの宇野康秀社長も「国内の全世帯に占める集合住宅の割合は6〜7割。インターネットユーザーの8割強が集合住宅に住んでいると予想している。これまでは、入線問題がFTTH導入の大きな壁になっていたが、手軽に導入できる環境を作ることが普及への近道だ」として、両社のビジョンが一致したことを提携の理由に挙げた。

 一方、USENは今回の提携により、「キャリアとしてのUCOM」と「ISPのUSEN」という分業を明確化し、かつISPレイヤーをオープン化する方針を改めて打ち出したことになる。提携に伴い、USENは19億6000万円の増資を行い、このうち半分をSo-netが引き受ける。さらに「So-netとの提携を第一弾として、FTTHに賛同してもらえるパートナーを募る。近いうちに100億円前後の資金調達を行う予定だ」(宇野氏)。

 同時に、NTT東西地域会社の「Bフレッツ」やダークファイバー網など、UCOM以外のインフラを使ったFTTHも「投資を抑えながらのエリア拡大」につながるとして積極的に活用する構え。FTTHサービスにおける最大のネックといわれてきた集合住宅への入線交渉(大家や管理組合との交渉)の実績とノウハウを活かし、自社の営業力を最大限に活用することで収益性を向上させる狙いがある。

 宇野氏は、自社のFTTHサービスの月間契約数が徐々に増えていることに触れながら、対象ユーザー層が拡大してきたと分析した。「マンションに(FTTHが)既に引かれていれば導入する、というユーザーも少なくない。ヘビーユーザーやSOHOといったイノベーター層から、趣味や仕事でインターネットを利用する人たちにユーザー層が移ってきた」。

 ようやく本格的な市場拡大の兆しを見せ始めたFTTH。両社の提携は、それを象徴する出来事といえそうだ。

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▼So-net
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[芹澤隆徳,ITmedia]



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