リビング+:ニュース 2003/04/04 17:11:00 更新


「ADSLは700万回線で止まり、光の時代が来る」 〜エキサイト

ブレイク中のADSLと、ブレイク寸前のFTTH。両者をどう天秤にかけるか、各ISPの判断は分かれる。エキサイトは断然、「光寄り」だ

 光が、すぐそこまで迫っている。総務省の発表によると、国内のFTTH回線数は1月末時点で233,072(記事参照)。2002年5月末の時点では5万回線だったことから、この半年間で大きく伸びていることが分かる。

 こうした中、各ISPとも「ADSLの次」をにらんでFTTH契約の獲得に余念がない。以前、So-netが“光シフト”の方針でいることを伝えたが(記事参照)、軸足がさらに光に寄っている接続事業者がある。昨年8月に「BB.excite」を発表した、エキサイトだ。

/broadband/0304/04/sou.jpg
 エキサイトのエンタテインメント事業部、宗俊介マネージャー

 BB.exciteは、NTT東西の地域IP網とIIJのCDNを利用する、ブロードバンド接続サービス。比較的定額な料金設定が魅力で、たとえばBフレッツ・ニューファミリータイプ(東日本エリアで月額4500円)の場合、BB.exicte接続料は月額500円となる。

 エキサイトのエンタテインメント事業部、エンタテインメントグループ事業開発マネージャーの宗俊介氏は、実際にBB.exiciteの加入者の8割が、Bフレッツでの契約だと話す。

 「10−12月期は、Bフレッツの販売取り次ぎ事業者として1位の業績を上げ、NTT東日本から表彰してもらった。1−3月期もおそらくトップになるのではないか」(同)。加入者数の詳細は明らかにされなかったが、手ごたえを感じている様子がうかがえた。

/broadband/0304/04/kansha.jpg
 エキサイトの受け付けには、NTT東日本からの感謝状が飾ってある(クリックで拡大)

光のメリットは「切れないこと」

 FTTH導入のメリットとして、すぐ思い浮かぶのは「通信速度の向上」だろう。“最大100Mbps”という響きは、確かにインパクトがある。しかし、「それだけの帯域を、何に使うのか?」という疑問もまた、多くのユーザーが払拭しきれないところ。現状では、動画コンテンツなども1Mbpsクオリティのものが多く、12Mbps ADSLであれば、こと足りるケースがほとんどだ。

 宗氏は、FTTHのメリットとして「通信の安定」にも注目すべきだと話す。

 「そもそもADSLという技術自体、どうしても通信が途切れるもの。ISDNとの漏話干渉や、電車の振動の影響などで、ノイズが入って信号が減衰する。しかし、FTTHならこれがない」。利用するユーザーからは、導入以来1度も通信が切れたことがない、という感謝の声も届いているという。

 多くのADSL事業者が提供するIP電話サービスに対応したことも(記事参照)、今後のBフレッツ普及の追い風になる。BB.exciteでは現在、加入者の6割がIP電話に申し込んでいる状況。「“基本サービス”として勝手に付いてくるのでなく、自分の意思で申し込むサービスにしては、高い割合だと考えている」(同)。

ADSLは700万回線台で止まる?

 宗氏は、2005年から2006年までの間には、国内のFTTH加入者数が、ADSLを抜くだろうと話す。

 「ADSL加入者数の伸びは、鈍化している。おそらく700万回線台でとまるのではないか(注:2月末時点では650万回線強→(記事参照)」。一方でFTTH回線は、6月末までに現在の倍になるはずだという。

 宗氏は、ADSL契約の獲得に走れば、会員増は狙えることを認めた上で、あえてそれを目指さないと話す。理由はやはり、FTTHを本命と見据えているからのこと。

 過去に、多くのユーザーがADSLに切り替えたとき、ISPの乗り換えも多発した。今後、ADSLからFTTHへの切り替えが進むが、そこで再度ISPの乗り換えが起こるだろう。それなら、初めからFTTH会員を獲得しておいた方がいい――という判断が、働いているという。

 宗氏は、今の会員増ペースでも経営を圧迫しないと強調。実際、エキサイトは3月末の決算で、全体で初の単年度黒字を計上できる見込みだという。

 「BB.exciteという新規事業を立ち上げたにも関わらず、それほど負担になっていない」。他社の既存のインフラを利用することで投資を抑えており、ブロードバンド接続事業を早期に黒字化できるとした。

関連記事
▼Bフレッツが月額3500円から利用可能――「BB.excite」が破格のサービス
▼エキサイト,「この世になかったサービスを提供する」
▼NTT東西、フレッツ向けIP電話端末のレンタル開始
▼ブロードバンドユーザが800万人を超す〜総務省発表

関連リンク
▼エキサイト

[杉浦正武,ITmedia]



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!