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2003/04/08 23:59:00 更新 |
特集:生活に役立つネットワーク
保育園でライブカメラ 〜愛娘をチェック (2/2)
小笠原氏は、まずは「我が子の姿が見られてうれしい」と肯定的な保護者が多いと話す。仕事中に息抜きとしてライブカメラにアクセスしたり、職場の同僚に自慢したりする例が多いようだ。
また、ライブカメラにアクセスする入り口として、保育園のホームページをオープンしたが、ここに用意した掲示板が非常に盛り上がっているという。
「保護者は、もともと職員とのふれあいを求めていたようだ。毎日の送迎のついでに、わずかな時間話したり、連絡ノートでお決まりの文章を並べられたりするよりも、ブロードバンドで充実したコミュニケーションがはかれる」。
ホームページには、保母さんが自己紹介する動画ファイルや、園内のイベントを撮影した映像をオンデマンドで配信している。こうしたコンテンツも人気があるという。
「3月末の年度変わりには、毎年多くの利用者が認可保育園に流れるのだが、今年はそれが比較的少ない。『この保育園が気にいっている、少々高くてもやめたくない』といってくれる方もいて、嬉しく思っている」。
アンデルセンの小笠原園長。左は園児が書いてくれたという、自慢の似顔絵
当初は反発も
もちろん、ここに至るには内部で反対の声もあった。たとえば、職員からはカメラ導入に対し「仕事を監視されるということか」と、反発の声も上がったという。
しかし小笠原氏は、「あなたたちの仕事ぶりなら、今のままで問題ない。自信をもってやって下さい」と、これを説得。結果として、職員の勤務態度についてクレームは一度もないという。
「やはり、保護者は職員のあら探しをしたくてアクセスするわけではない。我が子を見たいのだ」。
また、こうした映像配信につきものだが“通信のセキュリティ”の問題がある。これについては「似たような業者の中から、一番安全に気を配っていると判断して、ウインワンズウエイを選んだ」。
ウインワンズウエイの場合、各ユーザーはサイトからIDとパスワードを入力してカメラ映像にアクセスすることになる。このIDとパスワードは、慎重に管理するよう各ユーザーに注意を促している。
ほかに、ライブカメラ自体もIPアドレスを持っているので、見ず知らずの他人がこのアドレスを直叩きすると、映像にアクセスできてしまう。同社ではここにIDとパスワードを設定し、毎日更新・各ユーザーとマッチングし直すことでセキュリティを高めている。
利用者の声 |
サービスを利用している若見香苗さんは、「子供の自然な姿が見られるのがいい」と話す。 取材に協力してくれた、若見香苗さんと優衣南ちゃん 「普段の保育園でのようすは、普通なら見られないもの。どんな遊びをしているか、気付かれないように見られる」。 香苗さん自身は、インターネットには詳しくない方だとのこと。職場でこっそり見ては、一緒に働く大学生を「最近の保育園ではこんなサービスもあるんですか!」と驚かせているとのことだった。 |
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ウインワンズウエイ
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[杉浦正武,ITmedia]