リビング+:特集 2003/07/07 23:59:00 更新

特集:スピード測定狂時代
あなたは大丈夫? スピード測定の常識

ADSLの高速化に興味を持つユーザーが、頻繁に利用するのがスピード測定サイトだろう。最近では、単なるスループット測定にとどまらない、さまざまなサービスも増えている様子。本日から5回にわたって特集する。

 ADSLの高速化に伴い、さらなるスループットを求めるユーザーが増えている。ある調査によれば、ADSLユーザーの8割が「20Mbps超サービスが開始されれば、乗り換えたい」と考えているという(記事参照)。こうした高速化志向の強いユーザーが、自分のスループットを把握する手段として頻繁に利用するのが、スピード測定サイトだろう。

 「スピード測定サイト」と呼ばれるものが登場し始めたのは、なにも昨日今日の話ではない。しかし最近では、単なるスループット測定にとどまらない、興味深いサービスが付属したサイトも増えてきた(記事参照)。ブロードバンドインフラの普及を促進するための、マーケティングツールとして利用される側面もあり、世間での露出頻度は高まっている。

 当サイトでは、本日から5回にわたってスピード測定サイトの特集を行う。これを読むことで、ユーザーがスピード測定サイトに対する理解を深め、こうしたツールを「ADSL高速化時代」に適切に利用できれば幸いだ。

そもそも、スピード測定サイトとは

 特集の第1回では、スピード測定サイトがどのような仕組みでスループットを計測しているのか、その仕組みを概説しよう。

 スループットを測定する場合、いくつかの方法がある。CGIを利用する/Flashを利用する/専用ソフトを利用する、などがそれだ。いずれにしても「測定サーバから特定サイズのファイルをダウンロードさせる」ことが基本となる。これにより、ダウンロードにかかった時間を計測する。“実効速度”を測っているわけだ。

 この場合、重要なのは回線に応じた適切なサイズのファイルをダウンロードさせること。回線が細い場合、あまりに大きなファイルを通すと、不必要に時間がかかってしまう。かといって、太い回線に小さいパケットを流すと、ダウンロードにかかる秒数が短すぎて、正確なスループットの計測に支障をきたす場合がある。

 サイトによっては、ユーザーの概ねの回線容量に応じて(1Mbps未満/以上など)、ダウンロードファイルを選ばせるところもあるようだ。もっとも、あまり大きいデータばかりがダウンロードされると、測定サーバにアクセスが集中した場合に、トラフィックが遅滞してしまう。最近では、小さなパケットをダウンロードさせ、ごく短い秒数しか測定できなくても、正確にスループットを割り出す技術も開発され始めているという。

測定サイトまでの経路に注意

 スループットを測る場合に、注意したいのは“伝送経路”だ。「ある測定サイトでは高速に表示されるが、ほかのサイトだと低速に表示される」と疑問を抱いたユーザーも多いだろう。この原因は、ADSLモデムから測定サイトまでの伝送経路にある。

 インターネット上で、測定サイトのファイルがクライアントPCにダウンロードされるまでの経路は、ユーザーごとに異なる。たとえばユーザーの加入するISPと、測定サーバの設置されたネットワークの相性が悪いと、極端な遠回りをして通信を行っているケースもありうる。

 もちろん、この問題に留意し、複数個所の測定サーバを用意して正確性を期すサイトもある。たとえば「ブロードバンドスピードテスト」では、ISPの異なる2つの測定サーバを用意し、得られた2つのスループットの大きい値を代表値としている(サイト内解説参照)。もっとも、1つのサーバしか立てていないサイトも相当数存在するため、ユーザーは注意が必要となる。

Photo

スピード測定サイトとしては極めて有名な「ブロードバンドスピードテスト」。利用したユーザーも多いのでは?

 特に、事業者が自らの加入者向けに提供するスピード測定サービスでは、注意が必要だろう。インターネットに抜けず、自社網内でファイルのダウンロードが完結するため、インターネット経由の通信より速度が上がる可能性があるのだ。「事業者が自社網内で提供するコンテンツ」を視聴するときは、参考になるデータだが、それ以外のケースでは実行速度としてあてはまらない。

各サイトの工夫

 以上が、スピード測定サイトの基本常識ともいえる項目。しかし運営側は、独自色を出すべく、このほかにもさまざまな追加の工夫をこらしているようだ。

 明日以降は、そのあたりを事業者側に直接聞いてみたい。

関連記事
▼20Mbps超 ADSLサービス、8割強が乗り換え望む
▼FTTH/12Mbps ADSLの実速度はどのくらい?
▼みんなのADSL、スピードはどれくらい?――C-NEWS調査
▼FTTHの利用実態は? 〜3割は速度に不満も
スピード測定狂時代 1/5 次

[杉浦正武,ITmedia]



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!