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2003/09/03 15:12:00 更新 |
ISAGA2003レポート
MMOだけじゃないオンラインゲーム市場
8月29日まで開催された国際シミュレーション&ゲーミング学会で、オンラインゲームに関するセッションが設けられた。発表では、アジアのオンラインゲーム市場の多様なビジネスが紹介された。
8月29日まで開催された国際シミュレーション&ゲーミング学会で、オンラインゲームに関するセッションが設けられた。発表では、アジアのオンラインゲーム市場の多様なビジネスが紹介された。
おもしろいのが、韓国のゲーム内アイテム売買市場の成立だろう。韓国中央大の魏晶玄助教授によれば、さまざまなオンラインゲームのアイテムがずらりと並べられて売買されるネットオークションサイトがあり、年商300億円にも達するという。
魏助教授の発表資料でも紹介されたwww.itembay.com。ゲームタイトルやアイテム名で一覧できる。外観的にはふつうのネットオークションと変わらないが、並ぶのはゲーム内アイテムだけだ
韓国などアジア地域向けにオンラインアクションゲーム「ゲットアンプト」を提供するサイバーステップは、韓国において独特の有料サービスを行っている。ゲーム本体は無料で提供しつつ、ゲーム中でプレイヤーが操るキャラクタの身につけるアイテムや服、武器などをリアルマネー(ウォン)で購入できるようにしているのだ。武器などゲームで「勝つ」ためのアイテムだけでなく、外観カスタマイズや、ゲームクライアントのスキンといったゲーム性に直接影響しないところについてもユーザは購入してくれるという。
サイバーステップのゲットアンプトよりアイテム購入画面。ウォンで価格が表示されているのがけっこう衝撃的
中国最大のパブリッシャー、盛大ネットワークの黄氏は、中国市場について現状を紹介した。盛大ネットワークは中国国内で8000万IDを発行、同時接続70万人という、日本の感覚からは1桁〜2桁違う規模でサービスを行っている。
盛大ネットワーク黄氏の資料より。意外な感じもするかもしれないが、プレイヤー分布は沿岸部に限らないという
中国では海賊版によってパッケージものの市場が成立していないが、月額または従量での課金をおこなうオンラインゲームであれば十分ビジネスが可能であると述べた。MMOでは月額500円(35人民元)、または1時間あたり4円の従量課金をおこなっており、課金はプリペイドカードベースで行われている。
また、直接課金の難しいカジュアルゲームでも、アバターアイテムの販売や、「会員になるとすべてのゲームが遊べる」という形のサイトの入会費などで収益を上げている。
リネージュやUltima Onlineなどのイメージが強いせいか、オンラインゲームといえばMMORPGと考えがちだが、日本でも、カジュアルゲーム中心のハンゲームジャパンのID数はMMORPG各社のIDより圧倒的に多いのが現状だ。韓国や中国同様に日本でも、ヘビーユーザ向けのMMOと、ライトユーザ向けのカジュアルゲームでそれぞれ異なるやり方でビジネスが拡大されていくのだろう。
関連リンク
IGDA東京
ISAGA2003 公式サイト
[記事提供:RBBTODAY]