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2003/09/08 19:48:00 更新 |
ブロードコム、携帯デバイスを狙った無線LANチップを発表
ブロードコムは、ワンチップ化と同時に消費電力を大幅に削減した無線LANチップ「AirForce One」シリーズを発表した。従来製品と比べて平均80%の省電力化を実現。携帯電話やデジタルカメラなど、小型モバイルデバイスへの採用を狙う。
ブロードコム・ジャパンは9月8日、ワンチップ化と同時に消費電力を大幅に削減した無線LANチップ「AirForce One」シリーズを発表した。従来製品と比べ平均80%の省電力化を実現。“切手大”のサイズと合わせ、携帯電話やデジタルカメラなど、小型モバイルデバイスへの採用を狙う。
AirForce Oneチップは14.8×26.5ミリの基盤に実装可能
グレーの部分がすべて1つのシリコンダイに集積されている
通常、Wi-Fiの無線LANチップセットは、RF部を含めて2〜3個のチップで構成されているが、AirForce Oneはベースバンドチップと2.4GHz帯用のCMOS Direct Conversiorを1つのシリコンダイに集積した。これにより、同社の従来製品に比べて87%の小型化を実現したという。
待機電力が少ないのも特徴だ。スタンバイ時の電源供給は「Super Standby」と呼ばれるソフトウェア技術で細かく管理し、受信データ確認のときも最小限の回路だけを立ち上げる。「インテルのCentrinoに比べ、スタンバイ時の消費電力を97%低減できる」(同社)。
Centrinoとの消費電力比較
また、PDAや携帯電話の場合は、通信している時間よりもスタンバイ状態のほうが遙かに長いため、たとえばPDAならバッテリー寿命を「何日も延長できる」としている。
同シリーズ最初の製品は、IEEE 802.11b準拠の「BCM4317」。コンパクトフラッシュのインタフェースなどを持つ3つのリファレンスデザイン(下記)を用意しており、いずれもサンプル出荷中だ。量産出荷は2004年の予定だが、具体的なスケジュールは公表されていない。
リファレンスデザイン | 概要 |
BCM94317SD | セキュア・デジタルI/Oインタフェース |
BCM94317CF | コンパクトフラッシュインタフェース |
BCM94317SB | Bluetoothトランシーバ搭載セキュア・デジタルI/Oインタフェース |
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米Broadcom
[ITmedia]