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2003/09/25 22:35:00 更新 |
特集:発進した「カーテレマティクス」の前途とは
車に積み込む「PDA」 〜クラリオン (2/2)
通信の設定にしても、コントロールパネルからPC同様、ダイアルアップの接続設定を行う。「プリセットの設定を用意することはできるが、やはりユーザー環境によって手動の設定は必要」(佐武氏)なためだ。もちろん、あまり複雑になりすぎないよう、簡略化したインタフェースを心がけているが、どちらかといえばPCの扱いに慣れたユーザーに、しっくりきそうな印象だ。
ブラウザは、インターネットコンテンツを表示させる。ドライブ中に利用しそうなサイトのURLをいくつかプリインストールして「お気に入り」登録しているが、専用サイトなどは持たない
CADIASではほかに、PCとの連動も実現する。製品に同梱されたWindowsソフト「CADIAS Editor」を利用すれば、自宅のPCから目的地検索、ルートデータのダウンロードを行えるほか、このデータをCADIASと共有できる。CADIAS Editorでは、ほかにメールアドレスのインポートや、音楽再生リストの編集機能なども備える。PCで編集した音楽を、車内で聞こうというわけだ。
ちなみに、CADIASではMP3、Windows Media Audioを再生可能。ただし、MPEGやQuickTimeなどの動画コーデックはサポートしていない。理由は「ハードウェアの処理性能が追いつかず、コマ送りになってしまう」(遠藤氏)ため。今後、技術面での改善を待つ状況のようだ。
やはり、まだ“通信カーナビ黎明期”?
以上、見てきたようにCADIASは多機能・高付加価値カーナビといえるが、残念ながら市場での普及度はそれほど進んでいないようだ。
「販売台数は、1000台程度。これは、予想したよりもかなり低い」(遠藤氏)。原因としては、やはり30万円超するという値段の部分が1つ。もう1つは、販売時に説明できる体制が整っていないことだという。これは、昨日のパイオニア(記事参照)も指摘したことだが、ユーザーにいかに理解を深めてもらうかが重要になっているようだ。
クラリオンとしては今後、より機能を絞って敷居を低くした次世代モデルなども追加を検討するという。また、高速化する無線通信のインフラ普及状況なども見極めながら、製品を強化していきたい考えだ。担当の2人からは、現状はやはり“過渡期”だ、とのセリフが聞かれた。
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[杉浦正武,ITmedia]