リビング+:レビュー 2003/12/09 04:36:00 更新

レビュー:AXIS 205 ネットワークカメラ
VGA/30fpsの高画質ネットワークカメラの実力は?

手のひらに収まるコンパクトサイズながら、VGAサイズで毎秒30フレーム(30fps)の動画配信が行えるという、アクシスの「AXIS 205 ネットワークカメラ」。企業向けの製品を多く販売してきた同社だけあって、画質と機能は価格以上のものを感じさせるが……?

 アクシスコミュニケーションズの「AXIS 205 ネットワークカメラ」は、イーサネットポートを備え、単独でIP配信機能を持つネットワークカメラ。手のひらに収まるコンパクトサイズながら、VGAサイズで毎秒30フレーム(30fps)の動画配信が行える高画質設計が自慢の製品だ。

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サイズは85(高さ)×55(幅)×34(奥行き)mm、重さは177グラム。片手にすっぽり収まる

コンパクトサイズの本格ネットワークカメラ

 開発元は、多くのネットワークカメラを手がけるスウェーデンのAxis Communications AB。これまでは、どちらかいえば業務向け製品のイメージが強かった同社だが、本製品は低価格&コンパクトなエントリーモデルであり、SOHOや個人での利用も強く意識した製品といえる。

 エントリーモデルとはいえ、ネットワークカメラとしての性能は高い。最大で640×480ピクセル(VGA)、30fpsのビデオ配信は、ネットワークカメラとしては高解像度な部類だ。もちろんWebサーバ機能を持ち、単体でビデオサーバとして機能する。

 本体は、片手にすっぽり収まるサイズでかなりコンパクト。付属のスタンドと組み合わせ、置いて使うか、あるいは壁にネジで固定して利用できる。本体はかなり自由に動くので、設置時に困ることは少ないだろう。

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スタンドは重量があり、簡単に倒れることはない。壁に固定した場合でも、アングルの自由度は高い

 残念なのは、電源がACアダプタ仕様という点。常々思うのだが、これだけコンパクトなのだから是非LANケーブル経由で給電するPoE(Power over Ethernet)仕様にしてほしい。また、ACコネクタは本体が正立した状態では下向きになるため、ちょっとしたことで抜けてしまいそうで不安が残る。ACケーブルを半固定できるようなフックなども欲しいところだ。

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ACコネクタとLANコネクタは底面。LANコネクタは固定されるからいいが、ACコネクタの方が抜けてしまわないかちょっと不安だ。背面には電源とLANのインジケータ、そしてリセットなどに利用する操作スイッチを備える

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ACアダプタは小型だが、ケーブルは1.5m程度とちょっと短め。壁に固定することを考えると、もう少し長めの方がいいと思う

ブラウザでの簡単設定と、柔軟な画面レイアウト

 httpサーバ機能を備えるため、設定はWebブラウザで行う。PCのWebブラウザで本機のIPアドレスを指定すると、最初に管理者のパスワード設定が要求され、それが完了すると設定画面やビデオ配信を見ることができる。専用の設定ソフトなどは付属していないが、特に不便を感じることはないだろう。

 ユーザーレベルは、設定変更可能な管理者(Administrator)か、ビデオを見るだけのユーザー(Viewer)の2レベル。ユーザー名とパスワードで管理ができる。また、ログインの手順なしでビデオを視聴したり、同時アクセスユーザー数を制限する設定も用意されている。ビデオを広く公開する用途を考慮したものだ。

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IPアドレス関係の設定画面。DHCPでIPアドレスを自動割当にしたり、IPアドレスが変更されたときにメールで通知するといった機能も持つ。アクシスの提供するDDNSも利用可能になる予定だ(クリックで拡大)

 配信する動画は、画面サイズが640×480/320×240/160×120ピクセルの3段階、圧縮率は4段階に設定できる。カラーレベルや輝度の設定も可能で、いずれもかなり詳細だ。さらに、画面の最下段、または最上段に日付や時間、任意の文字列を表示できる機能も備えている。監視カメラとして利用する場合などには便利だろう。

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配信するビデオの設定は非常に細かい。サイズや圧縮率はもちろん、ホワイトバランスやシャープネス,フリッカーフリーの設定などもカバー。

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広く公開する場合、一度に接続できるユーザーの数や1回あたりのビデオ配信時間を制限することも可能

 画面レイアウトが柔軟に設定できる点も特徴だ。タイトル文字列や背景色、文字色などが変更できるのはもちろん、ほかのhttpサーバ上にある画像をバナーとして設定したり、リンクを張ることもできる。コマーシャルを兼ねたライブ配信なども簡単に行えるのだ。このあたり、業務用ネットワークカメラメーカーの面目躍如といったところか。

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配信画面のレイアウトの変更も柔軟。ビデオ再生にActiveXを使うか、Javaを使うかといった設定もできる

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タイトルや説明も自由に設定できる。製品ロゴを無効にし、本製品を利用していることをわからなくすることも。企業で使うときには重要かもしれない

掛け値なしのVGA/30fps、だが使用帯域に注意

 前述のように、ビデオ配信は最大で640×480ピクセルのVGAサイズ/30fpsをサポートしており、これは掛け値なし。カメラユニットはおそらく30万画素クラスと思われるが、画面サイズに対して特に不満のない画質で、動いている被写体の追従性も極めて高い。ビデオカメラのスルー画像をモニターで見ているようだ。

 しかし、トレードオフもある。この高画質ビデオを伝送するため、使用するネットワーク帯域がふくらむのだ。画像サイズもさることながら、最近のネットワークカメラに多いMPEG4圧縮を使わず、フレーム間圧縮のない「MotionJPEG」を採用していることも一因だろう。

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20cm程度しか離れていない被写体にでもきちんとピントを合わせることができる。印刷された文字もしっかり読み取れる

 たとえば、640×480ピクセル/fps制限なし(30fps)、圧縮「Low」では、使用する帯域幅が10Mbps前後にもなる。LAN内なら、これでもいいかもしれないが、インターネット経由のビデオ配信では現実的な数字とはいえない。640×480ピクセルでは、10fps、圧縮Midiumでようやく3Mbps程度になる。画質が高いぶん、高速な通信環境を要求する点には留意しておきたい。

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ネットワークの使用率を測定した。グラフの前半部分が640×480ピクセル、fps制限なし、圧縮Lowという設定。後半は、640×480ピクセル、10fps,圧縮Midiumだ。前半では10%超〜つまり10Mbps以上の帯域を使用していることがわかる。後半でようやく3Mbpsを切る程度

LAN、FTTHを利用しての高画質ビデオ配信に

 低価格なネットワークカメラというと、これまでは画質は期待できないというイメージもあったが、本製品に関しては当てはまらない。反面、動画圧縮フォーマットの関係上、使用するネットワーク帯域は大きく、インターネット経由の高画質ビデオ配信に利用するなら、上り速度の高速なインターネット接続環境〜現実的にはFTTHが必須といえる。

 もっとも、LAN内で使うのであれば問題は少なく、この高画質は大きなメリットになる。カメラ本体を動かす機能はないため、基本的には定点監視用だが、高画質なぶん従来の製品よりも用途は広がるはずだ。なにより、3万円前後という価格がネットワークカメラとしては非常に魅力的。アイデア次第でさまざまな用途に使えるカメラといえるだろう。

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▼アクシスコミュニケーションズ
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[坪山博貴,ITmedia]



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