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2003/12/26 23:58:00 更新 |
レビュー:「AVeL LinkPlayer」
デジタルコンテンツの楽しみ方を広げる「LinkPlayer」 (2/2)
たとえば、LAN接続の場合はファイル一覧がスクロールせず、次のファイルを参照したければ、ページを指定する形になる。どのページに見たいファイルがあるのか判っていれば便利だが、実際はそうではないだろう。ところが、DVDメディアのファイルでは、下キー、上キーを押し続けて単純にスクロールしてくれる。可能であれば、統一してほしい部分だ。
LAN接続の場合、ファイルの一覧はスクロールしない。右上の項目を選択してページを切り替える
DVDメディアの場合は、ファイル一覧も1行ずつスクロールする。やはりスクロールのほうがわかりやすい
再生時には、DivXでも“巻き戻し再生”や“早送り再生”が可能だ。紙芝居のような表示になるが、最大で4倍速となる。また1つのファイルで最初に巻き戻し/早送りキーを押した場合のみ、待ち時間が発生するが(内部でIndexを作成しているようだ)、これも数秒であり、初期のDivX対応DVDプレーヤーに見られるような、早戻し/早送り再生ができないデバイスよりはずっと便利だ。
なお、DivXファイルに関しては、エンコード時のオプション「Use Quarter Pixel」には対応していない。筆者の確認した範囲では「Use GMC」「Use Bidirection Encoding」オプションを有効にしてエンコードしたファイルは問題なく再生可能であったが(DivX 5.1.1 Pro利用)、エンコード時には注意してほしい。
DivXで「Use Quarter Pixel」を有効にしてエンコードしたファイルは、このようにエラー表示が出て再生できない
音楽ファイルでは日本語表記も問題なく表示される。ID3タグ情報などをもとにアーティスト別、ジャンル別といった一覧表示も可能
気になるリモコンの使い勝手
ほとんどの操作はリモコンで行うことになるが、その使い勝手には少々難がある。利用頻度の高いキーも同じサイズで詰め込まれており、慣れるまではいちいち目視で操作したいキーを探してしまう。再生、一時停止、巻き戻し、早送りといったキーは、大きめのボタンにして、レイアウトにも考慮してほしい。
またDVDビデオの再生時と、ファイル再生時で異なる機能を持つキーも多く、機能がかたや日本語、かたやアイコンで表示されているため、マニュアルを見ないと操作が判らないといった点も気になる。例えばDVDビデオでのメニューキーは、ファイル再生ではカーソル移動というなにかちぐはぐな組み合わせだ。レイアウトの改善を含め、次のモデルでは是非リモコンの洗練を望みた。
付属のリモコン。再生系の主要なキーも他のキーと同じサイズだ
DVDプレーヤーとしても水準の機能、ホームAVのコアに
DVDプレーヤーとしての機能は水準を満たしている。特に出力系は充実しており、ビデオはコンポジット/S出力、D4出力にくわえ、PC用の液晶ディスプレイ接続時に便利なDVI出力も備える(ただしDVDビデオ再生時は出力されない)。液晶ディスプレイに関しては、民生用の液晶テレビよりもPC向けディスプレイの方が安くて解像度も高いため、PC向け液晶ディスプレイをRGB出力対応のチューナーとLinkPlayerを組み合わせてリビングで使うという手もある。
出力端子は背面左側に集中している。DVI出力を持つ点がいかにもPCペリフェラル。PCカードスロットは無線LANカード以外にメモリカードにも対応し、画像を表示することができる。しかし、スロットがこの位置にあっては、メモリカードを利用する人はほとんどいないだろう
今回はS出力での視聴となったが、画質に関してはいかにも民生機的。DivXやMPEGファイルの再生に関しては情報量よりも見やすさ優先という印象で、ノイズ感も少なく、家庭用ディスプレイでの視聴に向いている。D4端子やDVD-D端子での接続ではまた印象が変わるかも知れないが、少なくとも大きな破綻は感じなかった。
LinkPlayerは、LAN接続とDVDメディアの両方をサポートしたことで、PCのデジタルコンテンツをより手軽にAVの世界へ持ち込める、橋渡し的な製品だ。価格も実売で2万円台後半と、従来のDivX対応DVDプレーヤーとネットワークメディアプレーヤーを別途購入するよりは確実に安価。いわゆる「DivX対応プレーヤー」の購入を検討している人は、強力な選択候補に上げて良い製品といえるだろう。
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[坪山博貴,ITmedia]