しかし人工知能には人間との間に決定的な差が存在しています。それが人間の有する「感情・本能」です。
松尾先生: 詩のように短かくて要素の組み合わせでも成立するコンテンツならなんとかなるんですが、長いものになると難しいです。とくにそれが本能とか感情に由来しているものだと非常に難しいです。
大衆的な小説で、売れてる本に共通しているような要素を、うまくつなぎ合わせていくような小説だったらできるかもしれないですね。
――ある一貫したコンテキストの上に組み上げられていくような作品を作っていくのは人工知能の苦手なところでしょうか?
松尾先生: 本能とか感情に依存する部分を作るのが難しいんですよね。絵とかもそうなんですけど、大衆画として多くの人がなんとなくいいなとかキレイだなって思う絵は描けるんです。だけど、すごい芸術的な絵っていうのは描けないんです。なぜかといえば人工知能には、人間が進化の過程で獲得してきた本能や感情がないから。
人間と同じ感情・本能を持つことで初めて何かの印象を持たせる絵を生み出せるということなので、そこは非常に人の性質に由来しているところだと思います。本当に芸術的なものを生み出すことはできない。本当に感動させられるようなコンテンツを生み出すには決定的な壁があると私は思います。
(深澤祐援)
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