とはいえ、逆のケースも十分にありえる。次回登板でも満足のいくような結果を出せず「やっぱり斎藤はダメだったか」となれば、これはもう限りなくジ・エンドに近い形になるであろう。だが、それも「もはや機は熟し切った」として仕方がないことなのかもしれない。それというのもつい最近、日本ハムの関係者と話をしていて次のように妙なことを耳にしたからである。
「斎藤も、そしてわれわれも互いに誤魔化し続けるのではなく、もうそろそろ結論を出さなければいけない時期に来ていると思うのです」
これは一体どういう意味なのか。「?」を頭の中にいくつも浮かべながら何も突っ込めずにいた筆者に、この関係者は真剣な表情でこう続けた。
「斎藤は本当に頭のいい選手。だから自分が置かれている立場は当然、理解しているし危機感を覚えている。それでも、ここまでずっと心が折れないで選手生活を続けて来られたのは持ち前の超プラス思考を忘れずにいたから。周りからひんしゅくを買う可能性があっても、それを顧みず報道陣に対して口でずっとポジティブなことを言い続けていたのは、自分を奮い立たせていたからですよ。
ただ、そうは言っても彼だってさすがに限界はある。本当は結果が出なくて悩んでいたのに、過度なまでに周囲が期待するから苦悩する姿を見せられない。そういうところでわれわれも斎藤の本心を見抜けていなかった部分があったのかも……。
いつか必ず真価を発揮してくれるはずと彼を戦力外にせずに過剰な期待をし続けていたから、知らず知らずのうちにわれわれと彼との間に距離感ができてしまっていた感がある」
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