天国で喜んでいる? お葬式の「早割」チケットが売れている水曜インタビュー劇場(葬儀公演)(5/6 ページ)

» 2015年08月12日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

地域性の問題

土肥: ただ、葬儀を扱っている御社としては、たくさんの人が参列されて、じゃんじゃん料理を出して、高価な返礼品を出してもらうほうがいいわけですよね。

八田: 売り上げという側面からみると、おっしゃる通りです。しかし、私たちは無理に大きな葬儀を勧めていません。先日、ある方から相談の電話がありました。

 話を聞いてみると、亡くなられた方は生前「できるだけ小規模なお葬式にしてほしい」と言っていたそうなのですが、とある葬儀会社に相談したところ、70万円ほどの見積もりが出てきたそうです。

 さらに話を聞いていくと、彼らはこのように言っていたそうです。「最期のお別れになるので、できるだけ大きくされたほうがいいですよ。親戚、近所、会社の方々がのちのちに葬儀を行ったことを知って『なんで呼んでくれなかったんだ!』とトラブルに発展するケースが多いのですから」と。

土肥: ふむふむ。

八田: 「なんで呼んでくれなかったんだ!」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、故人の想いを大切にしなければいけません。生前は「できるだけ小規模のお葬式にしてほしい」と言っていたのですから。その葬儀社は、自分たちの売り上げを増やすために「できるだけ大きな葬式を……」と言っていたのかもしれません。

土肥: 地域性の問題はどうされているのですか? 場所によっては、できるだけ盛大に……というところもあります。

八田: 地域によって葬儀の形はいろいろありますが、私たちは「考えなくてもいいですよ」とお伝えしているんです。というのも「地域性だから……」と言いだすと、どうしても追加料金が発生してしまう。例えば、地域によっては「お斉(とき)」というのがあって、地域によっては告別式後に参列者などに食事を用意しなければいけません。このように葬儀には地域性がどうしても関係してくるのですが、私たちは全国で同じパッケージを提供しています。

地域によっては告別式が終わってから、参列者に食事を用意するという(写真はイメージです)

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