見えない時間を「支配」する世界トップリーダー1000人が実践する時間術(2/4 ページ)

» 2015年08月14日 08時00分 公開
[谷本有香ITmedia]

時間をリアルに感じるために小さな単位で考える

 また、彼らは1時間ではなく「60分」、1分ではなく「60秒」という表現を用います。1時間も60分も長さとしてはまったく同じですが、時間の単位を「分」「秒」と小さくしていくことで、時間そのものの長さがよりリアルに感じられるようになったのではないでしょうか。

 さすがに普段からこの表現を使う人は見かけませんが、1日を「1440分」と捉えると、その有限性に気付かされるはずです。漠然と「1日」と捉えていると、「それだけ長い時間があればなんでもできる」などと思ってしまいますが、1日は目の前の1分1秒の積み重ねです。

 当然、できることとできないことがありますし、それを「今しかできない、今すべきことはなんなのか」という視点で厳しく精査していかないと、忙しい人ほどすぐに容量オーバーになってパンクしてしまいます。

 逆もまたしかり。基本的に時間を「1時間」という大きな単位で捉えている人にとっては、5分や10分は「端数」です。端数の時間では何もできないと感じて、無為に過ごしてしまうことでしょう。

 例えば、ミーティングの時間を「1時間」と設定すると、頭の中では「大体1時間」と、既に時間の感覚が大ざっぱに変換されているものです。そのため、会議の時間が5分くらいオーバーしたところで許容範囲。本当に全員が集中しても5分オーバーしてしまうほど白熱した会議だったなら別ですが、多くの場合は時間に対して無自覚であることが原因です。その場にいた全員が、5分間を無駄にしたことにさえ気付かずにいるでしょう。

 しかし、そのような数分間の無駄な時間も積もれば山となり、大切なことのために使える時間は知らないうちに減っていきます。逆に、大きな単位でざっくりと時間を捉えることをやめると無駄な時間はどんどん減っていきますし、端数のように感じていた数分間を使ってできることの可能性も広がっていきます。

 時間をリアルに感じることで、時間そのもののキャパシティーが広がるのです。

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