では、ボディサイズならどうかというと、これも当てにはならない。例えば、Dセグメントの現行マツダ・アテンザのセダンは、Eセグメントの現行メルセデス・ベンツEクラス(W212)とサイズがあまり変わらない。しかもこれが先代Eクラス(W211)との比較だとアテンザの方がだいぶ大きい。
アテンザ | 全長4865mm | 全幅1840mm | 全高1450mm |
---|---|---|---|
W212 | 全長4880mm | 全幅1855mm | 全高1455mm |
W211 | 全長4820mm | 全幅1820mm | 全高1430mm |
W212はアテンザを基準にすると、全長で15mm、全幅で15mm、全高で5mm大きい。W211の場合、全長でマイナス45mm、全幅でマイナス20mm、全高でマイナス20mmと、アテンザに比べてかなり小さい。
各セグメントは時代とともにどんどん大型化しているので、2、3世代もすればセグメントの大小が入れ替わってしまうことが多いのだ。wikipediaの「車格」という項を検索してもらうと、ご丁寧にセグメントがボディサイズで定義されているが、それに従うなら初代ゴルフはAセグメントだし、二代目ゴルフはBセグメントだ。三代目でかろうじてCセグメントに入ってくる。しかし、ゴルフはCセグメントというジャンルを確立したモデルで、言ってみればCセグメントのメートル原器だ。これでは具合が悪い。ボディサイズで定義するのも難しい。
エンジン排気量もダメ、ボディサイズもダメなら価格はどうだろうか。
再びベンツに登場願おう。EセグメントのEクラスの最廉価モデルは599万円。最高値モデルは1727万円である。フラッグシップでLセグメントのSクラスは最廉価モデルで1112万円。最高値は2600万円。SクラスよりEクラスの方が600万円も高いケースが出てきてしまう。これではどうにもならない。
というわけで、排気量、サイズ、価格など、何か1つの物理的なモノサシでセグメントを判断することは難しい。逆に言えば、そう簡単ではないからこそセグメントという別のモノサシを作り出さなくてはならなくなった。
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