「もっと純粋に記号的なクラス分けはないものか?」――。そう考えたのは現在、自動車雑誌「エンジン」の編集部にいる齋藤浩之氏である。彼はかつて二玄社に在籍していたころ、欧州各国のセグメント分類を研究し、イタリアの分類方法が最もシンプルで実用的であることに気付いた。
以来このアルファベットによる分類法をしつこく誌面で訴求し続け、10年ほど前にようやくそれが定着した。「どこに行っても通用するようになるのに20年かかりましたよ」と言って笑っていたが、そうした積み重ねがあって、今では我々も気軽に「Cセグメントの世代交代が起こっている」とか「プレミアムDセグメントがデバイス戦争になっている」とか言えるわけである。
結局、セグメントが何によって決まるのかと言えば、それはそのセグメントのメートル原器になるモデルを軸に、ライバル関係になるクルマをくくるということになる。
イタリア式なので、その基準は必然的に欧州車になり、また車種名が頻繁に変わらない点や、グローバルに知名度が高い点から、基準になるのは主にフォルクスワーゲンとベンツである。小さい側はフォルクスワーゲンが、大きい側はベンツが担っていると考えていいだろう。ただし、基準車だからと言ってそれがそのクラスで特別優れているとは限らない。あくまでも分かり易さが優先される。
ちなみに、各セグメントの基準車種と特徴を簡単に説明すると次のページのようになる。
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