何もしない時間を作ることが、未来への「投資」世界トップリーダー1000人が実践する時間術(2/5 ページ)

» 2015年08月17日 08時00分 公開
[谷本有香ITmedia]

バッファの時間に得たアイデアは、必ず未来に生きてくる

(画像と本文は関係ありません)

 「何も仕事をしない時間」とは、彼らにとってのクリエイティブなシンキングタイムであり、リフレッシュタイムです。目の前にある仕事からいったん離れて仕入れた情報を整理したり、AとBの情報を組み合わせたり。イノベーティブなアイデアをひねり出し、ビジネスのヒントが降りてくるのを純粋に待つ時間といってもいいでしょう。

 本業とは関係のない本を読んだり、映画を見たりすることで、雑学的に知識を増やしたり、トレンドに触れたりする人もいます。手を動かして決められた作業を進めるわけではないので、一時的には作業効率が悪くなったように感じるかもしれません。

 しかし、バッファの時間に得たアイデアは、必ず未来に生きてきます。今1時間を使うことで、将来何倍もの利子がついて自分に返ってくるのです。そう考えれば、「利回りのいい、確実な投資」といえるのではないでしょうか。実際の投資では、こうはいきません。

 逆にいえば、バッファの時間をとらずに目の前の仕事をこなしていくだけでは、手持ちのアイデアを補充もせずに消費し続けているようなもの。今はよくても、ある瞬間になんのアイデアも出なくなって途方に暮れることになります。

 トップリーダーの中には、若い頃に時間を投資せずに働き続けて、一度抜け殻のようになる経験をした人も多いようです。その手痛い失敗によって、身をもってバッファの大切さを学んだ人もいます。

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