攻める総務

甘くみてはいけない――職場における「熱中症対策」熱中症の症状は3段階(1/5 ページ)

» 2015年08月21日 08時00分 公開
[企業実務]

月刊誌「企業実務」とは

Photo

企業実務」は、経理・総務・人事部門の抱える課題を解決する月刊誌。仕事を進める上で必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、分かりやすく、タイムリーにお届けします。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”として事務部門の業務を全面的にバックアップ。定期購読はこちら

本記事は企業実務のコンテンツから一部抜粋・編集して掲載しています。


 人間の体は本来、気温が低い場合は体内の熱の放出を防ぎ、気温が高い場合は汗をかいて体外へ熱を発散するなどして体温をコントロールしています。

 しかし、さらに気温や湿度が高くなった環境では、体内の水分と塩分のバランスが崩れたり、体温調節が正常に機能しなくなって、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温といったさまざまな症状が現われます。

 そのさまざまな症状の総称を「熱中症」といい、症状によってI度(軽度)、II度(中等度)、III度(重度)に分けられています。

熱中症の症状と重症度分類

事業場での熱中症の危険性

 過去10年間の職場における熱中症の死傷者数(死亡者および休業4日以上の業務上疾病者の数)は、猛暑だった平成22年以降、毎年400〜500人台で高止まりしており、発生月はその9割が7月、8月に集中しています。

 また、過去5年間の業種別の発生件数では、建設業と製造業で全体の約5割を占めています。

 万が一、労働者が熱中症となった場合には、企業は安全配慮義務違反に加えて、本人や親族から損害賠償責任を問われる可能性を否定できません。従って、日ごろからの細やかなリスクマネジメントが必須となります。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.