やはり只者ではない! 世界を相手に戦う、清宮とオコエの凄さ赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)

» 2015年08月27日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 日本の高校球児たちが再び熱気を呼び起こす。「第27回U18(18歳以下)ワールドカップ」が28日から日本で開幕する。同大会に出場する高校日本代表のメンバーは総勢20名。ここには夏の甲子園で日本中を沸かせた早実の清宮幸太郎内野手(1年)と関東一・オコエ瑠偉外野手(3年)も加わった。U18侍ジャパンの中で、それぞれクリーンアップとリードオフマンを任されることになった2人の若侍のメンタルについて今回は取り上げてみたい。

 20日まで行われていた第97回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)で何度となく2人を取材する機会に恵まれた。この夏の甲子園で非常に感心させられたのは両者に共通する高校生離れした意識の高さと度胸だ。大勢の報道陣に囲まれても物怖じしたり、動じたりすることなくハツラツと自分の考えを話す。そしてこれからやるべき自分の行動に対して明確な目標をきちんと設定している。

 まず清宮。日本ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機監督の清宮克幸氏の長男として脚光を浴び、リトルリーグ時代には通算132本塁打を記録し、米国での世界大会で特大本塁打を放つと「ベーブ・ルースの再来」と称賛された。夏の甲子園の開幕前からメディアから追い掛け回されて取材攻勢を受け続けても、この怪物1年生はまったく臆することがなかった。それどころか、いつも強気一辺倒。

 「注目を浴びるのは気持ちがいい」「甲子園ではホームランを期待されているので、打てなければ意味がない」「ここまできて何もしないのはつまらない」などといった数々のビッグマウス発言はメディアで報じられていたので、皆さんもよくご存じだろう。

 一部からは「高校生のクセに生意気だ」「1年生なのに謙虚さがない」などという批判も出ていたが、こうしたビッグマウスは実を言えば清宮の心中に自分なりの“計算”があるからこそ出るものである。自分の発言に責任を持ち、そして高い志を持って生きよ――。これは清宮の実父である克幸氏から幼少時代より徹底して教え込まれたものだ。そういう英才教育を受け続けてきた清宮には克幸氏のDNAが脈々と流れている。克幸氏もまた、名ラガーマンとして名を馳せた現役時代にビッグマウスや強気発言を連発しながら有言実行を貫き通し、ビッグネームになった。

世界を舞台に、清宮とオコエはどのような活躍をするのか(写真はイメージです)
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