健康診断は、からだの“車検”エグゼクティブの“からだ”づくり(3/4 ページ)

» 2015年09月02日 07時00分 公開
[荒尾裕子ITmedia]

人生における3つの寿命

 人生においては、3つの寿命があることをご存じですか? みなさんが知っている命が尽きるときの年齢(いのちの寿命)だけではないのです。「いのちの寿命」のほかに、「仕事寿命」と「健康寿命」があります。

 例えば、サラリーマンのAさんが60歳で退職したとしましょう。この60歳が、「仕事寿命」で、働き続ける期間をあらわしています。その後、Aさんは脳梗塞を起こし、63歳で寝たきりの生活になってしまいました。この63歳までが、「健康寿命」で、介護を必要としない期間を指しています。

 実は最近、働き盛りのみなさんが、突然の病気で40・50代で仕事寿命を終え、さらに健康寿命までも縮めてしまうケースが増えています。その場合の多くが、「まだ住宅ローンが残っているのに、家族の生活はどうしたら良いか」などの経済的問題を含め、さまざまな不安を抱える結果となってしまうのです。

 もし、あなたが「仕事寿命」や「健康寿命」を伸ばしたいと思うなら、「テロメア」(※)が1つの大切な要素となります。テロメアとは、老化に関連する染色体のこと。この「テロメアの長さ」は、生活習慣によって変化し、短い人は心臓病、ガン、糖尿病、骨粗しょう症などになりやすい傾向があると言われています。

※テロメア:カリフォルニア大学の教授らが発見。この研究は、2009年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。

 日本の研究で、未加工の食品を多く含む食事を摂り、適度な運動とストレス管理を行った結果、5年間でテロメアの長さが伸びたことが報告されています。アメリカの研究では、短い期間の生活改善でも、テロメアを伸ばすことができたという報告があります。

 つまり、「人生における3つの寿命」は、あなた自身の生活習慣によって変化する「テロメア」にかかっていると言えます。

 「仕事」「健康」「いのち」の、あなたの望む3つの寿命は何歳ですか?

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