この機能って必要? そう感じても「G-SHOCK」が欲しくなる理由水曜インタビュー劇場(G-SHOCK公演)(3/6 ページ)

» 2015年09月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

オーバースペックは「信頼性」

土肥: でも、それってターゲットを絞り込み過ぎていませんか? 泥の中での作業……ということですが、そのような仕事をしている人は少ないですよ。となると「この時計、誰が使うの?」となって、売れなくなるのでは?

斉藤: 「この時計、誰が使うの?」ってよく聞かれるんですよ。マッドマスターでは「ジャングルや砂漠など、陸の極地での使用を想定した各種機能を搭載」などとうたっているので、使う人はかなり限定される。ただ、限定されていますが、一般ユーザーにも使っていただけるにはどうしたらいいのか? といったことも考えていて、最終的には「こんなふうに使っていただけるのでは」といった感じで“落としどころ”を決めて開発しています。

土肥: そこが興味深い。泥が入らないとか、衝撃に強いとか、瓦礫の中でも使えるとか、これでもかこれでもかといった感じでタフさをアピールされていますが、東京の新橋で飲み歩いているサラリーマンにはハッキリ言って必要のない機能ばかり(もちろん全員ではありません)。そんな人たちに、どのようにしてタフな時計をアピールされているのでしょうか?

斉藤: 「信頼性」ですね。

土肥: 信頼性? どういう意味でしょうか?

斉藤: 機能面だけを強調すると、レスキュー隊の人が「これは便利だなあ」と感じていただける。例えば、ロープを使って下に降りるのに、3秒間で降りなければいけないとします。そうしたストップウォッチが搭載されていたら、「おっ、これはいい!」となるはず。でも、一般ユーザーにとっては、そんな機能を聞いても「役に立たないなあ」と感じられるでしょう。

 でも、オーバースペックって「信頼性」につながるんですよね。過酷なシーンでも泥が入らないとなれば、砂埃(すなぼこり)がちょっとまっているようなところでも「大丈夫」と感じていただけるはず。

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