Dセグメント興亡史池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/4 ページ)

» 2015年09月14日 10時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 Dセグメントは日本の社会制度の恩恵を受けて成長し、制度改革によって衰亡していった。自動車という工業製品がその製品としての優劣だけでなく、社会の流れの中に存在していることがよく分かる1つのサンプルとして、今回はDセグの興亡史を眺めてみたい。

 かつてのDセグメントの代表と言えば、トヨタ・コロナ、日産ブルーバード、ホンダ・アコードあたりだろう。Dセグはその昔、国内で大きな割合を占めたファミリーカーのメインストリームだったが、ここ十年ばかりすっかり振るわない。絶滅危惧種に近い存在になっている。

 二大巨頭として覇を競ったコロナとブルーバードも、20世紀の終わりごろにほぼ足並みを揃えて名前が消えている。コロナは国内向けのプレミオと欧州向けのアベンシスに分かれ、ブルーバードはサニーの兄弟車であるブルーバード・シルフィに名前を譲って格下のCセグに移行した。

1979年にデビューした910型ブルーバードは大ヒットを記録した 1979年にデビューした910型ブルーバードは大ヒットを記録した
プレミオと兄弟車のアリオンは、日本国内用に生産される数少ないDセグメント現行モデル。コロナからの移行期にはコロナ・プレミオとした販売されるなど、コロナブランドの継承にも留意された プレミオと兄弟車のアリオンは、日本国内用に生産される数少ないDセグメント現行モデル。コロナからの移行期にはコロナ・プレミオとした販売されるなど、コロナブランドの継承にも留意された
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