ただ、私の経験からすると、実際に誰かにハンカチを差し出すことはそうありません。しかし成功する人は、常に準備を怠らないものです。自分以外の人に対して気をくばることが心のゆとりを生み、いずれあらゆることが好転していくものなのです。
また、習慣が人をつくる、ともいいます。小さな「気くばり」が、後のあなたに大きな影響を及ぼすことも少なくありません。
実際、この「ハンカチ」の出来事をセミナーで聞いていた住宅メーカー勤務のKさんは、「こんな簡単な習慣で気くばり上手になるなら……」と、その後、いつもハンカチを2枚、かばんに入れて携帯していたのだそうです。数カ月後、たまたま異業種の飲み会で、隣合わせた人がお酒をこぼしたので、Kさんは持っていた2枚目のハンカチを差し出したのだといいます。「相手が喜んでくれて、それがうれしかったよ」と、Kさんは笑顔で話してくれました。
でも、その「気くばり」には、続きがありました。数日後、そのハンカチを渡した相手からお礼の連絡が入り、Kさんに仕事の依頼までされたのです。そして今でも取引先として、付き合いが続いているそうです。
Kさんは、普段から周囲の人に親切でやさしく、善意のかたまりのような人です。そんな人柄を示すかのようなこの「ハンカチ」が、相手への「気くばり」になっただけでなく、いい縁をつなぎ、本人に返ってきたのです。
友人との付き合い、家族への心くばりといったことも、もちろん大切ですが、まったく見知らぬ相手への「気くばり」を身につけている人は、ビジネスでもプライベートでも、ワンランク上へ進める人なのです。
ハンカチは、ブランドものである必要はありませんが、清潔感のある(きれいに洗濯された、アイロンのかかった)ものを持ってください。
(つづく)
相手を思う「気くばり」を携帯する
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