“ザ・縦割り”だったJALが、変貌できた理由水曜インタビュー劇場:(JAL公演)(3/7 ページ)

» 2015年09月30日 08時10分 公開
[土肥義則ITmedia]

隣は何をする人ぞ

野村: 自分たちが働いている会社は縦割り……ということに気付いていない人が多かったですね。縦割りであるかどうかは、そうでないところで働いた経験があって、初めて「あ、自分たちの組織って縦割りだな」と気付くと思うんですよ。ほとんどの人がJALでしか働いたことがないので、縦割りの意識がなかったですね。

土肥: 横の交流はなかった?

野村: ほとんどありませんでした。繰り返しになりますが、“隣は何をする人ぞ”といった感じ。同じ会社で働いているのに、部署が違うとまるで別会社のような感覚でした。

土肥: 経営破たんして、「このままじゃあイカン」となったわけですよね。

野村: 破たんしたことは、社員にとって衝撃的でした。破たんした当初は、二次破たんするかもしれない、という状況だったので「こうれじゃあイカン。なんとかしなきゃイカン」という危機感がありました。自分たちのどこがダメだったのか、さまざまなことを反省していくわけですが、その中のひとつに「縦割りの企業文化」がありました。

 縦割りはイカンということで、組織に横串を刺して、連携を図ることにしました。会社にいる全員が、同じ目標・同じ目的に向かって進んでいくためには、考えを合わせなければいけない。考えを合わせるためのツールとして、「JALフィロソフィ」をつくりました。

土肥: グループ会社は約60社ありますよね。同じグループとはいえ、違う会社なので考え方は違っていて当然だと思います。そうではなくて、グループでも同じ方向を向かなければいけないということでしょうか?

野村: はい。

土肥: 破たん前に「企業理念」はありましたよね。ただ、文字が並んでいるといった感じだったのでしょうか。

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