博報堂が公開する”生活定点”、データと日経平均との関連性から分かることとは?生活定点のデータは1992年から(3/5 ページ)

» 2015年09月30日 07時00分 公開
[深澤祐援Credo]
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日経平均と正の相関がある10項目

 上位10種の内、5つが「どちらともいえない/同じまま」という返答でした。各質問項目は異なるものではありますが、「中くらいの感覚」を持つ人が増えていると、経済も好転している可能性が高いと言えるのかもしれません。

 その他、分かりやすい部分では、投資貯蓄への関心について正の相関が見られました。また、いろいろな商品の情報に詳しい方だ、という項目も消費者の購買意欲増加として結論づけられそうです。

 最後に、分かりにくい項目ですが、ライフボリューム4類型というものについて見ていきます。このライフボリューム4類型は、「あなたのふだんの生活は、現在どの程度の『幅』を持っていると思いますか。」という“生活の幅”を聞く項目と、「あなたのふだんの生活は、現在どの程度の『深さ』を持っていると思いますか。」という“生活の深さ”を聞く項目の結果で分類されます。

 この幅と深さについては、調査票の中で次のように説明されています。

 幅とは――いろいろなタイプ、デザイン、素材など、多くの種類の衣服を持っていたり、いろいろな種類のものを食べたり、性別、年齢を問わずいろいろなタイプの人と広くつきあったり、余暇をすごすための、いろいろな趣味、スポーツなどを持っていることを指します。

 深さとは――自分なりの好みや基準を追求した衣服を持っていたり、こだわりのある食事をしたり、表面的ではないことを指します。

 全部で4つのタイプ、大海型(広くて深い)・プール型(広くて浅い)・井戸型(狭くて深い)・水たまり型(狭く浅い)に分けられます。

 今回の分析では、日経平均と正の相関があるライフボリュームタイプは“情報生活に関して水たまり型(狭くて浅い)”でした。つまり、人々が情報に対してそれほど関心がない時は、日経平均も高くなっている可能性が高いと言い換えられます。

 ある意味、楽観的な人々が多いと景気が良いという風にも考えられるのではないでしょうか。

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